(サムネイルは富士スピードウェイにて著者が撮影)
今回も前回同様「水素エンジン」について話していきます。その中でも航続距離、液体水素について詳しく話していきます。
(前回の記事はこちら)
水素エンジン技術は、環境に優しい未来の輸送手段として、世界中の研究者や技術者から注目されています。特に、航続距離の走行能力と液体水素の利用は、この技術が直面する大きな課題と機会を代表しています。
2021年水素エンジン初参戦時には、水素エンジン車は主にガス状の水素を燃料として使用していました。しかし、この方法では、車両の走行距離は大幅に制限され、実用的なレベルに達していませんでした。
初期の水素エンジン車は、良くても60キロメートルの距離しか走行できず、これはガソリン車の平均走行距離600キロメートルと比較して非常に短いものでした。
しかし、最近の技術の進歩により、液体水素を使用することができるようになり、その走行距離は約2倍に伸ばすことが可能になりました。
(液体水素で走行するH2GRカローラ)
(引用元はこちら)
液体水素の導入は、高密度のエネルギーをより少ないスペースに格納することを可能にします。これは、液体の状態では、水素の密が大幅に増幅し、同じサイズのタンクでより多くの水素燃料を運べることを意味します。
しかし、この進歩は大きな挑戦も伴います。特に、液体水素はマイナス253度という極端な低温で保持する必要があり、この温度管理は技術的にも経済的にも大きな挑戦をもたらします。
(液体水素タンク)
(富士スピードウェイにて著者が撮影)
この技術が直面する別の大きな課題は、効率的な水素供給チェーンの確立です。
水素エネルギーを真に持続可能なものにするためには、「作る、運ぶ、使う」の全過程をカーボンニュートラルを達成する必要があります。
また、単に水素の積載量を増やすだけではなく、車両システムの効率を向上させ、より少ない水素でより多く走行できるようにする必要があります。
日本の主要な大学である東京大学、京都大学、早稲田大学などでは、学生たちがこの新しい技術の開発に協力しています。これは、若い世代が持続可能なエネルギー解決策を推進し、未来の輸送手段を形作る上で重要な役割を果たしていることを示しています。
水素エンジンの技術はまだ発展途上ですが、持続可能な未来への大きな一歩を表しています。この技術の進歩と普及は、環境に優しい輸送手段への移行を加速させる可能性を持っています。
すべての関係者が協力し、技術的課題を乗り越えることができれば、水素エンジンは私たちの移動方法を根本的に変えることができるでしょう。未来の車両は、現在よりも遠く、効率的に走ることが期待されています。
最後までありがとうございました。


















