昨今、ニュースやSNSなどで話題となっている「インバウンド」。
ですが、観光地に住んでいない人にとっては、あまり実感がないという方も多いと思います。
しかし実は、私たちの生活の中にもインバウンドの影響は確実に広がっているのです。
今回は私が実際に体験した「ホテル価格の高騰」から、その現実を紹介していきます。
取材で感じた“ホテル価格の異変”
筆者はこのokke以外にも、他媒体で記事を書く機会があり、全国各地へ取材で宿泊することが多いのですが、最近その宿泊費の高さに驚かされています。
例えば、今年1月、東京都内のとあるアパホテルに泊まった際は、シングル・禁煙・1人1泊あたりおよそ7,000円程度でした。
昨年も都内では1人1泊6,000円〜8,000円ほどあれば、温泉付きのホテルに泊まることもできました。
しかし、今年10月。取材のため同じホテルを予約しようとしたところ、
なんと1泊あたり12,000〜16,000円に…。
「倍ですよ、倍」
正直、驚きました。
物価が上がっても報酬が増えるわけでもないのもあり、大学生でもある私にとって、この差額はかなり痛い出費になります。
結局、ランクを下げた別のホテルに宿泊することにしましたが、それでも3泊で約22,000円(1泊約7,300円)、以前と比べて明らかに値上がりしているのを実感しました。
またこれは都内だけでなく、地方でも同様、たとえば岡山では1人1泊1万円、熊本でも1人1泊約8,000円でした。
ほんの数ヶ月の間にここまで値上がりしているのは、まさにインバウンド需要の影響もあるでしょう。
なぜここまで価格が上がったのか?
ではどうしてインバウンド需要で、決して高級ホテルではないビジネスホテルの価格が高騰したのでしょうか。
一般的なケースで言うと、富裕層の外国人などは超高額なホテルに宿泊することが多く、普通のビジネスホテルに泊まることは多くありません。
ただし、それこそがビジネスホテルの高騰に関係しているのです。
たとえば、もともと1泊10万円で泊まれた高級ホテルが、インバウンド需要により1泊15万円や1泊20万円でも売れるようになったとしましょう。当然、ホテル側も商売ですからお客様が払ってくれる範囲内で値上げをします。
すると、元々1泊10万円のホテルに泊まっていた層が今度は少し安めのホテルに流れることになります。そしてそこも、お客様が払ってくれる範囲内で値上げを行うのです。当たり前ですよね。
その繰り返しの結果として、もともと6,000円だったホテルまで価格を上げても売れるようになり、ホテル業界全体が値上がりするという“連鎖”が起きているのです!
困る日本人、潤う日本
ホテル価格の高騰、日本人にとってはつらい現実です。
私含め、物価が上がっても、報酬や給与が上がるわけではありません。
しかし、国全体で見れば決して悪いことではないのかもしれません。
なぜなら、これは「日本の価値が上がっている」ことの証だからです。
「以前は6,000円だったホテルが1万円、2万円で売れるようになった」それだけ日本という国のブランド価値が高まっていると受け取ることも出来ます。
そして、それでも外国人が高い価格でも泊まってくれるというのは、日本がそれだけ魅力的だと認められているという証でもあります。
さらに、外国人から高い宿泊料を得ることは、「日本に外貨が入る」ということ。
つまり、国益につながる経済効果が生まれているのです。
今後の課題と解決のヒント
では、日本は今後どうすればいいのでしょうか。
このインバウンド需要によるホテル価格の高騰は正直、私たち個人の力でどうこうできる話ではありません。
しかし海外を見てみると、自国民と外国人で価格を分けている国は多く存在します。
実際、自国民は1,000円で入場できても、外国人は5,000円や1万円という価格設定は珍しいことではありません。
そして、それでも観光客は訪れ続けています。
日本でも、2026年から姫路城では「市民と市民外で料金を分ける」取り組みが始まりますが、今後は「日本人と外国人」で価格を区別化することも検討する必要があるのではないでしょうか?(例えば、日本人は1万円、外国人は3万円のような…)
少なからず、議論はしていくべきだと思います。

(世界に誇れる日本の文化)
(筆者が撮影)
まとめ
インバウンド需要によるホテル価格の高騰は、私たち日本人にとって負担でしかありません。
しかし、同時に視点を変えれば、それは日本が世界から選ばれる国になっている証でもあります。
そして、海外を例に、外国人から高く取る分、日本人が安く泊まれる(体験できる)仕組みを整えれば、観光業はさらに発展し、国全体の利益にもつながるでしょう!
“インバウンド=悪”と決めつけるのではなく、その背景と影響を冷静に見つめ、日本にとってプラスに変える方法を考えることが大切です。
最後までありがとうございました。
















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