皆さん、こんにちは。
近年、日本のみならず世界各国で進行し、社会問題となっている少子化。
この言葉を聞いて、ほとんどの方が「国が衰退する」「悪い話」のようなネガティブなイメージを持っているのではないでしょうか?
しかし、実は少子化こそが「国の豊かな証」という見方があることをご存知でしょうか?
今回は、なぜ少子化が豊かさの証なのか、そしてどうしてポジティブな捉え方ができるのか、について、3つの視点から話していきます。
①高い教育水準がもたらす「選択する力」
まず、少子化が進んでいる国に共通して見られるのが、合計特殊出生率の低下です。
合計特殊出生率とは1人の女性が一生のうちに産む子どもの平均数を示す指標で、人口が減少しない為には約2.07が必要とされています。
しかし、日本をはじめとする多くの先進国では2を下回っており、少子化に歯止めがかかっていません。
一方で発展途上国などでは合計特殊出生率が5を超える国も少なくなく、非常に高い水準を維持しています。
皆さん先進国と発展途上国で合計特殊出生率に違いがあると聞いて、単純に「性行為の頻度が違うからでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、実際には先進国と発展途上国で性行為の頻度に大きな差はないとする研究結果も存在しています。
ではなぜ先進国と発展途上国で合計特殊出生率にこれほどの差が出るのでしょうか?
それは、「将来を選択することが出来る教育を受けているか否か」です。
例えば将来について考え、選択できるような教育を受けていれば、子育てにかかる費用、そして将来のキャリアを十分に考えた上で計画的に妊娠・出産に挑むことが出来ます。
特に女性の教育水準と社会的地位が高い国ほど、女性自身のキャリア形成やライフプランを考え、出産時期を計画的に選ぶことがスタンダードになりつつあります。
逆に、教育環境が十分でない国々では、経済状況や将来設計を見通した上で子どもを持つという意識が乏しく、結果として「計画性のない出産」が多くなり、出生率が高くなる傾向があります。
また、そうした国々では女性の社会的地位が低いことも多く、女性自身がキャリア形成やライフプランを考える機会すら持てないケースも珍しくありません。
このように、教育が行き届いている豊かな国だからこそ、経済状況や将来設計を踏まえて出産のタイミングや人数を冷静に判断することが可能になるのです。
だからこそ、「少子化=高い教育水準を実現している豊かな国」と言うことが出来るのです。
②経済的な豊かさがもたらす「避妊の選択肢」
次に、紹介するのは経済的な豊かさです。たとえ性行為をする機会があっても、避妊手段を適切に選択・実行できるかどうかで、出生率には大きな違いが出てきます。
日本をはじめとする先進国では、避妊具を数百円〜千円程度で購入でき、ほとんどの方が手軽に入手することが可能です。
また、医療の進歩により、避妊具を使用せずとも、女性用ピルなどでの避妊も可能となっています。
一方、発展途上国では、そもそも避妊具が手に入らなかったり、価格が高すぎて※入手する事が困難なケースも少なくありません。
※収入に対して価格が高いという意味
つまり、発展途上国では経済的な理由から避妊をすることが出来ないからこそ、子供が生まれ高い出生率になるのです。
このように、経済的に豊かであるからこそ避妊をすることが出来るため「少子化=経済的に豊かな国」と言うことが出来るのです。
余談ですが現在、男性用の避妊薬についても開発が進められています。
③子供が安全に育つ国の豊かさ
最後に紹介するのは、生まれた子どもが無事に大人まで育つ確率の違いです。
実は合計特殊出生率は、生まれた子どもの数であり、大人まで育った人数ではないのです!
もちろん先進国のように医療や福祉が整っている豊かな国では、ほとんどの子どもが健康に育ち、無事に大人になることができます。
一方で医療や福祉が整っていない発展途上国などでは、生まれた子どものほとんどが大人になれる訳ではありません。
例えば子どもを2人産んだとしても、医療環境が整っていない地域では、栄養失調や感染症などで幼児期に命を落としてしまう可能性が高く、大人まで生き残れるとは限りません。
そのため、子孫を残せる確率を少しでも上げる為に、出来るだけ多くの子どもを産む傾向があるので結果的に合計特殊出生率は高くなるのです。
またそういった国や地域では子どもを労働力と見なし、生活のために多くの子どもを持つという考え方が根強く残っていることも少なくありません。
このように、医療や福祉が整っている豊かな国だからこそ、たくさん子どもを産む必要がなく「少子化=医療や福祉が整っている豊かな国」と言うことが出来るのです。
(発展途上国のスラム街)
まとめ
ここまで紹介してきたように、少子化は「高い教育水準を実現している豊かな国」「経済的に豊かな国」「医療や福祉が整っている豊かな国」だからこそ起きる一面もあり、「少子化は国が豊かな証」とポジティブに捉えることが出来るのです。
とはいえ、少子化が続けば、労働力人口の減少や社会保障の負担増など、国家としての持続可能性が揺らいでしまうのもまた事実です。
だからこそ、少子化対策を真剣に取り組む必要があるのです。
皆さんもぜひ少子化について興味を持ち、次の選挙で投票してみてはいかがでしょうか?
日本が豊かな国であり続けるためには私たちの世代が少子化に真剣に向き合うことが大切です。
最後までありがとうございました。














