先日、ネットニュースなどでTWICEやNiziUをプロデュースし、日本でも高い人気を誇るJYPエンターテインメントのJY Park氏が、李在明大統領の肝入り政策として立ち上げられた「大衆文化交流委員会」のトップに就任すると報道されました。
そこで今回は、そもそも大衆文化交流委員会とは何なのか、韓国政府の狙いとは、そしてなぜJY Park氏が選ばれたのかについて解説していきます!
大衆文化交流委員会とは
この大衆文化交流委員会は、李在明大統領が就任直後に設置された大統領直属の組織です。役割としては、K-POPや韓国ドラマ、映画、ゲームといった大衆文化を「国際ブランド」として発信するための政策司令塔という位置づけになっています。
韓国といえばK-POPや韓国ドラマ、映画などの芸能文化を思い浮かべる人も多いと思いはず。実際、韓国の芸能文化は世界中で人気を博しており、多くのお金と知名度を得ています。
韓国政府の狙い
では韓国政府の狙いはどこにあるのでしょうか?
韓国政府の狙いの一つは「外交カード」としての活用です。例えばアメリカにとって関税や政治が外交カード、日本にとっての外交カードが自動車産業であるように、韓国は大人気のK-POPを外交カードにしようとしています。
これまで民間主導だったK-POPを、政府自らが全面的に支援し、国家の利益に直結させる構想です。
二つ目は「国家ブランド戦略」です。これまで成功したアイドル、たとえばTWICEやBTS、BLACKPINKなどは、個々の事務所やアーティストの努力によるものと見られてきました。
しかし韓国政府は、今後は国家主導で「韓国という国の成功」として発信し、国家ブランドそのものを強化していこうとしています。
なぜJY Park氏なのか
ここで大きな疑問が湧きます。それは「なぜJY Park氏だったのか」という点です。
知っている方も多いかもしれませんが、李在明大統領は反日的な政治家。一方で、JYPとJY Park氏は韓国の三大事務所(SM、YG、JYP)の中で最も日本市場を重視してきました。
今でこそK-POPアイドルグループの中に日本人メンバーがいることは珍しくありませんが、その流れを作ったのはJYPでありJY Park氏なのです。
当時、K-POPアイドルグループに日本人メンバーを起用した例が少なかったのにも関わらず、TWICEで日本人メンバーを3名起用(サナ、モモ、ミナ)し、世界で大成功を収めました。
その成功を見た他事務所も追従する形で日本人メンバーの起用が加速した歴史があります。
JY Park氏はTWICEの成功後も9名の日本人メンバーのNiziUを結成しデビューさせるなど、積極的に日本人を登用してきました。また発言の内容からも、反日ではなくむしろ親日寄りとされるのがJY Park氏の特徴です。
このように政治的立場は李在明大統領とJY Park氏では大きく異なります。それでも李在明大統領がJY Park氏を選んだ理由は、実績や信頼性、そしてグローバル戦略上のバランス感覚にあると考えられます。
例えば
- 日本市場やアジア市場での成功がK-POP拡大には不可欠
- 親日的な立場は日本やアメリカでの人気拡大にもつながる
- 宗教的・文化的にオープンで、政治色が薄い
- 他事務所に比べてスキャンダルが少なく、イメージが安定している
一方でSMは経営混乱、YGは過去のスキャンダルがあり、現状で「政府の顔」として選びにくい背景もあったかもしれません。
今後の展望
こうして大統領直属の大衆文化交流委員会は、国家ぐるみでK-POPを推進する組織としてスタートしました。
そこにJYPのJY Park氏をトップに据えることで、信頼性や象徴性を強調し、グローバルでさらにK-POPを拡大していく狙いがあります。
今後、日本でもK-POPがさらに存在感を増していくことが予想されます。筆者もK-POPは大好きですが、異国の文化として楽しむと同時に、その裏にある国家戦略や外交カードとしての側面にも注目してみると、また違った見方ができるかもしれませんね!
最後までありがとうございました。









