皆さん、こんにちは。
突然ですが、現在、日本人の約半数が発症しているとされているアレルギーが何かご存知でしょうか?
それは、花粉症です。
そしてこの花粉症の大部分を占めているのが、スギ花粉によるものです。
ここ数十年でスギ花粉による患者数が急増していますが、皆さんはその理由を考えたことがありますか?
今回は、実際に山の管理をしている木こりの方や、そうした現場と連携して対策を行っている上場企業の担当者と話をする中で分かった、なぜスギ花粉の患者がここまで増えたのか、その真相についてお話しします。
スギ花粉増加の背景には「山の管理不足?」
近年、スギ花粉の患者数が大幅に増加している最大の原因は、山の管理が行われなくなったことなのです!
かつての日本には、多くの木こりさんがおり、間引き(小さい木を間引く作業)を行っていました。
こうした管理により昔の山には、大きくて丈夫なスギだけが育つような環境が保たれていたのです。
しかし、現在では木こりさんの高齢化や後継者不足などにより、山を管理する人が大幅に減少。その結果、手入れのされていない山が年々増加しているのです。
実際に終戦から10年後の1955年には、日本全国に木こりさんは推定50万人以上いたとされています。
しかし、その約25年後の1980年には14万人前後にまで減少し、現在では約4万人程度にまで落ち込んでいるのです。
その結果として、日本の山は管理が疎かになり、細くて小さなスギが密集して生えるようになってしまったのです。
細くて小さいスギの方が花粉を多く飛ばす?
木こりさんの減少により、山の管理が不十分となった結果、大きなスギが減り細くて小さなスギが密集して生えるようになった訳です。
ですが、皆さん「細くて小さいスギの方が花粉も少ないのでは?」と感じませんか?
感覚的には「細くて小さいスギの方が花粉の量が少なそう」そう感じる方がほとんどだと思います。
しかし実は逆で、細くて小さいスギほど、大量の花粉を飛ばすのです!
ではなぜ細くて小さいスギの方が大きいスギよりも、多くの花粉を飛ばすのでしょうか?
そもそもスギに限らず、植物には「生存が危うい状況」になると、子孫を残すために繁殖活動(花粉の放出や種子の生成)を活発化させる性質を持っています。
そこで皆さんによく考えてみてほしいのが「大きくて立派なスギ」と「細くて小さいスギ」どちらの方が生存が危ういでしょうか?
そうです。大きくて立派なスギと比べて、細くて小さいスギの方が圧倒的に生存が危うい状況なのです。
そのため、細くて小さいスギの方が多くの花粉を放出しているのです。
一方で、大きなスギはそれほど花粉を飛ばさなくても繁殖できるため、相対的に花粉の放出量は少なくなります。
さらに、管理されていた時には1本しかスギなかったエリアに、今では10本以上もの小さなスギが密集しているケースも珍しくありません。
これにより、花粉の総量が大幅に増加し、花粉症を発症数の増加に直面しているのです。
本来取るべき対策とは?
では、スギ花粉の放出量を抑えるためにはどのような対策を行えば良いのでしょうか?
その答えはシンプルに、山の管理を再び行うことです。
再び日本中の山でしっかりと間引きを行い、健康で大きなスギが育つ環境を整えることで、最終的に花粉症患者の減少に繋がります。
とは言っても、過去に比べてやはり木こりさんの人数は大幅に減少しているので、今いる木こりさんだけで日本中の山を管理することは現実的ではありませんよね?
何か技術革新でもない限り、今いる木こりさんだけで、日本中の山を管理することは限りなく不可能に近いです。
そんな問題を解決するべく、現代の最先端テクノロジーを活用し木こりさんのお仕事を支えている企業が日本にもあるのです!
最新テクノロジーを活用し山の管理に取り組むヤマハ発動機
この課題に対し最新テクノロジーを駆使し取り組んでいるのが、日本のヤマハ発動機です。
同社は、森林管理に特化したエンジンを搭載した産業用無人ヘリを提供しております。
そのお陰で実際に山に入らなくても「山の状態」「間引きが必要な場所」「特に注意が必要な危険地帯」などを効率的に把握することが可能となっています。
こうした技術的な支援により、木こりさんが不足していても、効率的に山の管理を行うことが可能になってきているのです!
またヤマハ発動機は実際に木こりさんの声を聞きより木こりさんが使いやすい産業用無人ヘリの開発を進めており、近い将来には木こりさんやヤマハ発動機などの力で花粉症患者が減るかもしれませんね!
無花粉スギ・少花粉スギの開発も進むが…
さらに、近年では花粉を飛散させない無花粉スギや少量の花粉のみ飛散させる少花粉スギの開発・植林も進められています。
しかし、これらのスギが成木として育つまでには数十年単位の時間が必要ですし、山の管理が行き届いていない現状では、全国に普及するのはまだまだ先になるでしょう。
いずれにせよ、まずは「山の管理」を始めないことには、何も始まりません。
花粉症対策は薬だけじゃない!「山を守る」という視点を
この記事を読むまで多くの人は、花粉症対策といえば「薬を飲むこと」などの医療的な処置を思い浮かべていたと思います。
しかし、花粉症の根本的な解決策はそこではありません。
本当に花粉症患者を減らすためには、スギ花粉の発生源である山の状態を改善することが不可欠なのです。
まとめ
このように、現在、多くの日本人を悩ませている花粉症は、単なる自然現象ではなく、山の管理が疎かにされた結果として引き起こされている面があります。
かつてのように、山を管理し、大きく健康なスギが育つ環境を整えることで、飛散する花粉の総量を飛散する花粉の総量を抑えることができるのです。
皆さんも、薬やマスクだけでなく「山を守る」という根本からの花粉症対策について、1度考えてみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。













