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水素エンジンとカーボンニュートラルの未来②


その他
2024年4月16日

(サムネイルは富士スピードウェイにて著者が撮影)

今回も前回に引き続き「水素エンジン」について話していきます。前回は水素エンジンについて大まかに話しましたが今回はその中でも1つ1つ詳しく深掘りにしていきます。(前回の記事はこちら)

水素エンジン車と燃料電池車の違いとは?


まず多くの方が混同しがちな水素エンジン車と燃料電池車について、その根本的なシステムの違いを説明します。

燃料電池車は、水素と酸素の化学反応を利用して電気を発生させ、それでモーターを動かすことで動力しています。
つまり、これは水素を使った電動車の一種です。

(燃料電池車のユニット)

(引用元はこちら)

一方で、水素エンジン車は、同じく水素と酸素を使いますが、こちらは化学反応を直接的な爆発として利用し、そのエネルギーでエンジンを駆動させます。

電気を介さないこのシステムは、従来の内燃機関の原理により近いものです。

(水素エンジンユニットイメージ図)

(引用元はこちら)

水素エンジンの最大のメリット:水蒸気の排出


水素エンジン最大の特徴として、排出物が水蒸気である点が挙げられます。通常のガソリン車が二酸化炭素やその他の有害物質を排出するのに対し、水素エンジン車から出るのは、文字通り「水」のみです。

これは、水素と酸素が反応して生成される水が、蒸気として排出されるためです。この過程で出る水は基本的に無害であり、環境に対する負荷が非常に低いという点で、大きなメリットがあります。

(水素エンジン車両が排出する水蒸気)

(引用元はこちら)

二酸化炭素を吸収するフィルターの重要性


現在、水素エンジンの開発車両は、走行中に二酸化炭素を吸収する特殊なフィルターを装備することで、さらに環境負荷の低減を図っています。この技術が普及すれば、ガソリンエンジン車でも二酸化炭素の排出を実質的に「ゼロ」にすることが可能になります。

このような技術の進化は、持続可能な社会への大きな一歩と言えるでしょう。

例えば、ガソリン車が1km走行する際に10袋分の二酸化炭素を排出するとします。
しかしこの二酸化炭素を吸収する特殊なフィルターを使用すると、1kmクルマが進むごとに先ほど同様10袋分二酸化炭素を吸収し、実質的に二酸化炭素を排出せずにこのガソリン車は走行したこととなります。

つまり実質的にカーボンニュートラルが達成可能と言うわけです。

(CO2回収フィルター)

(富士スピードウェイにて著者が撮影)

政治的な問題とカーボンニュートラルへの道


最後に、カーボンニュートラルを目指す過程で直面する政治的な問題に触れたいと思います。特にヨーロッパでは、表向きはカーボンニュートラルを目指しながらも、本音では日本車の技術、特にハイブリッドや内燃機関を排除し電気自動車を普及させる狙いがあります。

しかし、重要なのは、私たちの共通の敵は炭素であり、特定の技術ではないということです。

「敵は炭素であり内燃機関ではない」

カーボンニュートラルの実現は、あらゆる技術を活用して二酸化炭素排出を削減することに他なりません。

持続可能な社会への移行は、単一の技術に依存するのではなく、多様な技術とアプローチを組み合わせることで達成されるべきです。

水素エンジン車もその一つの手段であり、環境への影響を最小限に抑えつつ、エネルギーの効率的な使用を実現するための有力な選択肢の一つです。

私たちは、炭素排出という共通の敵に立ち向かうために、あらゆる可能性を探求し続ける必要があります。

最後までありがとうございました。

この記事の著者

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くま吉

トヨタ自動車→N高→近畿大学 クルマが大好きです!自動車や政治のことなどわかりやすく描いていきます!