英作文対策
どうも、フジです。
「東大英作文のコツや勉強法について教えて欲しい」とのリクエストをいただきましたので、今回は英作文についての記事でございます。
受験生の中で、英作文に苦手意識を持っている人は少なくないはずです。私自身、高校時代は「英作文ってあんまり好きじゃないな」と感じていました。けれども、私が受験した東京大学の二次試験には和文英訳と自由英作文が1題ずつ出題されるため、嫌いだからといって無視することはできませんでした。そこで、私が実際にどんな勉強をしていたのかを整理してシェアします。
私は東大しか受験してませんし、高1当初から東大しか視野になかったので、私がやった勉強は全部東大対策…ということになる…!だからリクエストにもお応えできているはず…!
そもそも英作文の優先順位は低め?
最初に伝えておきたいのは「英作文にどのくらい時間を割くべきか」という話です。
正直なところ、英作文の対策優先度はそこまで高くないでしょう。
志望校によってはそもそも出題がなかったり、出題されても1問程度で配点が小さいケースが多い。しかも、難関大学であれば、どんなに準備をしていても、出題内容によっては努力が水泡に帰す可能性がある、これが非常に厄介です。だからこそ、優先順位としては長文読解やリスニングに比べると低く、英作文対策にあまりにも多くの時間をかけるのはおすすめしません。
東大の場合、英語は120点満点で、そのうち英作文は20点を占めます。全体の6分の1という数字を考えると、さすがに完全無視というわけにもいきません。しかしそれでもやっぱり、私は1日に15分勉強していたかどうか…という程度でした。
ちなみに、私の周りの受験生の中には「英作文は運ゲー」と割り切っていた人もいましたし、「出題が自分に合っていたらラッキー」くらいの気持ちで臨んでいた人も多かったです。英作文にどれだけの配点があるかにもよりますが、場合によっては、思い切って「英作文は運に任せる」スタンスでも構わないと思います。
英作文には2種類ある
「英作文」と一口に言っても、大学入試で出題されるのは大きく2種類に分けられます。ひとつは和文英訳、もうひとつは自由英作文です。自分の志望校がどちらを出題するのかを確認し、それに応じた対策をしていく必要があります。
和文英訳は与えられた日本文を英語に直す形式。自由英作文は、自分で何を書くかを決めなければならない形式です。
「和文英訳は日本語が与えられているわけだし簡単やろ」「自由英作文は好きなこと書けるんだし楽勝でしょ」と思ってしまう人、意外といるような気もしますが、実際はそんな甘くはありません。和文英訳では、難しい日本語をどうシンプルな英語に置き換えるかで詰まるケースが多くありますし、自由英作文のほうではそれに加えて「即興で書く内容をひねり出せるかどうか」といった追加の難しさが出てきます。
英作文の土台となる知識を身につけよう
和文英訳対策や自由英作文対策といった具体的な話をする前に、まず前提として押さえておくべきことがあります。そもそも「英語の文章を書くための知識」を持っていなければ、どんな問題形式であれ対応はできません。
基本的な文法知識(関係詞や仮定法といったもの)が身についているというのは大前提。そのうえでさらに、細かい文法事項や表現技法を意識していく必要があるわけです。長文読解では、文脈の力を借りて「なんとなく意味が取れる」からこそ意識しない部分も多いと思いますが、いざ自分が文章を書くとなると、そうした細部に気を遣わざるを得なくなるんです。
例えば冠詞の扱いとか。
the は「特定のもの」、a/an は「ある一つのもの」を示すというのは当然皆さん知っているはずですが、案外見落とされがちなのが「無冠詞」の用法です。名詞を複数形にして無冠詞で使うと、「一般的なもの」を表すことができます。たとえば Books are useful. といえば「本というものは役に立つ」という一般論になりますよね。これを知らずに何でもかんでも冠詞をつけてしまうと、英作文では不自然な英文になってしまうことが少なくありません。
こうした冠詞や無冠詞の使い分けは、読解のときにはそこまで意識しなくても意味が通じてしまうので軽視されがちですが、自分で文章を書くときには確実に避けられないポイントです。このような細部に気を配れるかどうかで、英文全体の完成度は大きく変わってくるんですね。
だからこそ、まずは基礎的な表現のインプットをしっかりやっておくことが必要です。
私は先輩から譲り受けた「竹岡弘信のドラゴン・イングリッシュ」を使って勉強しましたが、何であれ自分に合ったテキストを1冊選び、そこに書かれている知識を自分の中に落とし込むこと、それが最初のステップになるでしょう。
和文英訳の攻略
和文英訳を攻略するには、二方向からのアプローチを行なう必要があると思っています。
1つは「与えられた日本語文を噛み砕き英訳しやすい表現に言い換える力を磨く」というアプローチ、もう1つは「英訳の際に使える語彙を増やしていく」というアプローチです。
やはりまずは、「日本語を英訳しやすい形に言い換える力」が必要です。与えられた日本語をそのまま直訳しようとすると、どうしても複雑な構文や難しい単語に頼らざるを得なくなり、文が不自然になってしまうことも多くあるでしょう。そこで、あえて日本語の段階でシンプルに言い換えてしまうこと、これがカギになってきます。
英語にしやすい日本語に変換してから取り組めば、基本的な単語や文法で十分に対応できるのです。難しいことを難しく書くのではなく、正しいことを簡単に書く。この割り切りこそが得点源になります。私はこういう”言い換え”みたいなのがもともと得意だったので、特別な対策を行ったりはしませんでしたが、苦手な方は演習量を増やして、数をこなしていく必要があるのかなと思いますね。
ただし、難関大学を目指すような人は「難しい単語や表現を知っているだけで簡単に突破できるシーンもある」という事実も押さえておくべきかなと思いますね。日本語の言い換えだけではどうしても限界がある…ということも当然あるはずです。そういうときに、ちょうどよい単語や表現を知っていれば、一発で自然な英文にできる。だからこそ、普段から単語帳なんかを勉強するときに、「これは英作文でどう使えるかな」と実際の使用場面をイメージしながらインプットしておくことが重要です。
「日本語をうまく崩してシンプルに表現する力」と「知っているだけで突破できる表現を引き出す力」の両方を育てることで、和文英訳での安定した得点につながります。
自由英作文の攻略法
自由英作文が出題される場合は、和文英訳対策に加えて取り組むべき事がいくつかあります。
まず大切なのは、文章の構成を知っておくことですね。典型的には「自分の意見」「具体例や根拠」「反対意見への反論」「結論」という流れです。これを意識しておくだけで、いざ書くときに迷う時間が減ります。
さらに大事なのが「咄嗟(とっさ)にウソをつく力」を磨くことです。自由英作文で陥りがちなのが、自分の本音をそのまま英語で書こうとするも、どうしても難しい内容になり、表現も複雑になってしまう…というやつ。でも入試で求められているのは「あなたの本心」ではなく「読みやすい英文」なので、多少自分の考えと違っても、書きやすいものをサッと書いてしまうのが得策なわけですね。私自身も「いや、別にそう思ってないけどな」と思いながら、都合のいい英文を書いた経験が何度もあります。
この即興力を鍛えるには、過去問を見て「自分なら何を書くか」を瞬時にイメージする練習が有効です。実際に書かなくても頭の中で組み立てるだけで十分。慣れてしまえば、本番でも悩まずにスラスラ書けるようになります。
私は過去問を使って特訓をしていました。何を書くか、その全体像を簡単にイメージするというだけで十分練習になる(と私は実感していた)ので、短い時間でも取り組めちゃいますね。
添削を受ける重要性
最後に、英作文は必ず第三者に添削をしてもらうべきです。
自分では「これなら通じる」と思っていても、他人からすると「何を言いたいのかわからない」文章になっていることは珍しくありません。特に自由英作文なんかは、英訳前の日本語の段階で意味不明な文章を書いてしまっている人も多くいるので(これは意外と自分では気がつけない)、人によっては添削なしだと厳しい…なんてこともあるような気がします。
私は模試採点のアルバイトをしたときに、多くの受験生の自由英作文を読みましたが、最初から最後までスムーズに読める答案は滅多にありませんでした。たいていどこかで「ん?これどういう意味?」と引っかかる部分があるのです。だからこそ、友達や先生に読んでもらい「意味は通じるか?」「読みやすいか?」といったフィードバックを受けることは非常に大切です。採点者に「この文章、読みやすいな」と思わせるだけで点数は伸びます。
まとめ
英作文は優先順位としては低いですが、全く取り組まないというわけにもいきません。
「英文を”書く”ための基礎文法」を押さえた上で、和文英訳では「語彙のストック」と「日本語の言い換え力」を意識し、自由英作文ではさらに「文章構成」と「即興力」を磨く。そして仕上げに必ず添削を受ける。この流れで取り組めば、限られた時間でも十分に対応可能だと私は思います。
というわけで今回は以上。
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