こんにちは、yutoです。
歴史が苦手だ、覚えられない、気づいたら忘れてる、年号が頭に残らない──。
受験期になると、こんな悩みを抱える人は本当に多いし、「歴史=暗記科目」というイメージが強すぎるせいで、頑張るほど苦しくなる科目だと思われがちです。
でも、実は歴史って、暗記すると一番伸びない科目だと考えています。
歴史は本来、「過去に起きた出来事の単なる説明」ではなく、“なぜそうなったのか”という因果関係をたどる学問だからです。
僕は受験生のとき、ほぼ教科書しか使っていませんでした。
問題集は確認用に少しやったけれど、中心にあったのはただひとつ、あの茶色い(または水色の)教科書です。
それを、ページがよれよれになるまで、蛍光ペンの色がにじんで判別できなくなるまで、角がめくれて元の原型を留めなくなるまで読み込みました。
と言っても、教科書を暗記しようとして読み込んだわけではありません。
やっていたのは“流れで説明すること”だけです。
歴史は「線」で見ると覚えられる
学校の定期テストなど、非常に限られた範囲では、歴史は“点”で覚えられます。
- ○○年に△△があった
- □□のあとに××が起こった
- 人名・出来事・場所を丸暗記する
でもこれでは、頭の中に散らばった情報がつながらず、すぐに頭から消えてしまいます。
歴史は「なぜそうなったのか」という連続性で覚えたときにはじめて忘れなくなる。
例えば、日本史の「16世紀」を理解するときには、私はこんな思考を繰り返す練習をしていました。
中世の荘園制が機能しなくなり、地方で武士が自立していく →
戦国大名が土地と人を直接支配するようになる →
力を持った大名が連鎖的に拡大しはじめ、下から上へ統一が進んでいく →
だから信長と秀吉の中央集権は“必然”である
この歴史の流れ、因果関係がわかれば、桶狭間がいつで、賤ヶ岳がいつで、本能寺が何年で、という「点」は、勝手に頭に乗ってきます。
年号は、流れが理解できていれば勝手に覚えられるようになる“副産物”なんです。
練習法はとてもシンプル
私は毎日、教科書を開きながらこのような練習をしていました。
① 「時代をまとめて説明する」練習
たとえば「16世紀の日本について説明してください」と言われたら、教科書を見ずに1世紀分を口頭で再現する。
最初はボロボロです。
因果が把握できていない、順番が崩れる。
でも、それでいいんです。
言えない部分こそ弱点であり、そこに戻れば復習の効率は最大になる、と自分で把握できるからです。
② 因果関係を言葉にする
「Aが起きたからBが生まれた」
「○○の背景には△△があった」
歴史とは、“なぜそうなったのか”を説明する学問なので、因果関係を言語化することを大切にしていました。
③ 何度も同じ説明をし直す
一回で覚えられるわけがありません。
でも「説明を反復すること」により、記憶を深く沈めることができます。
こうしているうちに、教科書、参考書の文章は“覚える対象”ではなく、頭の中にできてきた流れを補強するものになります。
多くの受験生は、教科書の文章をそのまま覚えようとします。
しかし、歴史の理解は、こういう順番で育つのではないかと考えています。
- 大きな流れ・背景・因果をつかむ
- その流れを自分の言葉で説明する
- 教科書、参考書に戻って精度を高める
- 人名・年号・細部が“意味を持って乗ってくる”
だから僕は、仕上げの時期には、教科書を何も見ずに、日本史を最初から最後まで口で説明できる状態になっていました。
結論:歴史は「覚える」んじゃなく、「つながる」。
- 歴史は暗記科目じゃない
- 本質は「なぜ起きたか」を説明する科目
- 年号は流れを理解すれば勝手に覚えられる
- 勉強法は「教科書で流れを説明できるようにする」だけでいい
- 記憶は、説明できた瞬間に定着する
そしてこの覚え方は、受験勉強を超えて、ニュースを読むときも、人間関係を考えるときも、社会を理解するときも、ずっと使い続けられる「ものの見方」になるものであるとも思います。
皆さんも実践してみてはいかがでしょうか。
今回は以上となります。ご覧いただきありがとうございます。












