暗記は“見る・声に出す・書く”で完成する
どうも、フジです。
今回は「暗記をするときは“目だけに頼るな”」というお話。
多くの人が「暗記=目で見るもの」と思い込んでいるんじゃないかと思います。単語帳をめくりながら、ただ目で文字を追っていく。確かにそれでも“なんとなく”覚えた気にはなれるでしょう。でも翌日にはもう、半分以上忘れている…。そんな経験、ありませんか?
実は、人間の脳は「視覚」から入った情報よりも、「複数の感覚を経由して得た情報」を優先的に長期記憶に残すようにできています。だからこそ、見るだけでなく、声を出す、手を動かすといった動作を組み合わせることで、記憶の通り道を増やしてあげる必要があるんです。
声に出すことで「耳」が記憶する
まず意識してほしいのが、「声に出して覚える」ということ。
ここで言う“声に出す”とは、書いてあることを何も考えずに読み上げるという意味ではありません。「いつも頭の中で繰り返し唱えていることを同時に声にも出そう」「いつも通りの暗記作業に、声を付け足してみよう」ということです。
たとえば英単語帳を使っているなら、「succeedは『成功する』って意味なんやなあ」と頭の中で思うだけに留めるのではなく、「succeedは『成功する』、succeedは『成功する』、succeedは『成功する』」というふうにしっかりと声に出そうという話。
声に出すことで、グッと記憶に残りやすくなるんですよ。
声を出すという行為は、見て・聞いて・話すという三段構えの刺激になるんですよね。目で文字を追うときは視覚が、声を出すときは運動野が、そしてその声を自分の耳で聞くことで聴覚が働く。その結果、脳の複数の領域が同時に動くので、記憶の“リンク”が強化されるってわけです。
記憶の話からは少し逸れますが、声に出すことによって「注意の分散防止」という副次的効果も得られるので、ハッキリ言ってガチでおすすめです。声を出している間、人間は「他のことを考える余地」がなくなるんですよ。ほら、目だけで見る勉強だと、つい意識が飛んでしまったり、関係ないことを考えていたりしませんか? でも声を出していると、舌や喉の動き、発音のタイミング、聴覚の刺激が絶えず続くため、集中が途切れにくいんです。これは本当に冗談抜きでめちゃくちゃ体感できるレベルで違います。
手を動かすことで「身体」が覚える
次に、「書いて覚える」を意識してほしいです。
ここで言う「書いて覚える」は、ノートをきれいにまとめ直すことや、形だけ書き写すことではありません。声のときと同じ、「いつも通りの暗記作業に、手の動きを付け足してみよう」というお話です。
「succeedは『成功する』、succeedは『成功する』、succeedは『成功する』」というふうにしっかりと声に出した上で、手ではひたすらにsucceedの綴りを紙に書きまくる…!綴りを書けるようにしておく必要があるかどうかは関係ありません、とにかく手を動かし続けるんです。
手を動かす暗記が強力な理由は、脳がその動きを「記憶の一部」として保存するからです。ペンを動かして文字を書くとき、指先・手首・前腕の筋肉が細かく連動します。この“微細運動”が脳の運動野を刺激し、その信号が海馬(記憶を司る部分)に一緒に送られる。つまり、文字情報と筋肉の動きがセットで記憶されるんです。たとえば、英単語のスペルを忘れたときに、空中で手を動かすと急に思い出す…みたいな経験、ありませんか? あれは「運動記憶」が引き金になって、脳が関連する情報を呼び起こしている現象なんですよ。
手で書くリズムと声のリズムが重なると、暗記は作業から“体験”になります。音と動きと文字が一体化した瞬間に、記憶が深く刻まれる。これはやってみた人しか分からない感覚です。
また話が逸れますが、手を動かす勉強法には「達成感」という副産物がありますね。書いた分だけ紙が埋まっていく。見える形で「自分が積み上げた量」が残ることで、勉強への自信やモチベーションにもつながりますよ。この“目に見える努力”が、継続力を支えるんです。
視覚以外の情報を増やせ
「声」と「手」に共通するのは、どちらも“視覚以外の感覚を使っている”ということ。
人間の脳は、視覚情報を優先的に処理するようにできています。でもそれに依存しすぎると、情報は“表層的”にしか残りません。目で見た瞬間は理解した気になるけれど、時間が経つとあいまいになる。いわば、記憶が脳の浅い層で止まってしまうんです。
一方、聴覚・運動感覚といった他の経路を使えば、情報が“複数の層”を通って整理され、立体的に保存される。暗記の際に使用する感覚を増やすことで「関連づけ」が起こり、“体験と結びついた情報”として深くインプットされていくんです。
だからこそ、ただ眺めるだけよりも、「見る+聞く+動かす」の三拍子で覚えることを私は強くオススメしたいです。
ここまで聞くと、「そんなの面倒くさい」と思う人もいるかもしれません。でも、覚えるという行為を「頭だけで完結するもの」と捉えている限り、暗記の質はいつまでも変わらないでしょう。暗記は、頭で覚えるものではなく、体で覚えるもの。視覚・聴覚・運動感覚、この三つを組み合わせてようやく、情報は“自分の中に根を張る”んです。
もし「なかなか覚えられない」「すぐ忘れてしまう」と感じているなら、それは記憶力が悪いのではなく、感覚の使い方が単調すぎるだけ。一度、自分の勉強を“目”だけに頼っていないか見直してみてください。
というわけで今回は以上。











