都度行動を決めるのは愚策
どうも、フジです。
今回は「都度行動を決めるのは愚策」というテーマでお話ししたいと思います。
1日を真面目に過ごしているのに、なぜか「今日は手応えがなかったな」と感じることがある。机にはちゃんと向かっているし、サボっているわけでもない。それなのに、どこか密度が薄い。そういう人は、勉強の内容ではなく「行動を決めるタイミング」に問題があるのかもしれません。
都度行動を決めると効率が悪くなる
勉強を頑張っている高校生の中には、「ひとつ終わったら次を考える」というスタイルの人が少なくありません。けれどもこのやり方は、効率の面ではかなり損をしています。
まず、集中のリズムが途切れるという問題がありますね。たとえば英語をやり終えたあとに「次は何をやろうかな」と考える。その瞬間、脳は集中モードから判断モードに切り替わります。この切り替えが何度も起きると、頭のエネルギーが少しずつ削られ、集中の深さを保てなくなるでしょう。気づけば1日の終盤には、思考が鈍ってしまうんです。
さらに、次に何をやるかが決まっていないと、今やっている作業の終わり方が曖昧になりますよね。次が決まってないがゆえにダラダラと時間だけが過ぎ、テンポが悪くなる。結果として、同じ時間を使っても成果が薄くなってしまうこともありますね。
また、気分に流されやすくなるという問題もあるかなと思います。「今日は数学の気分じゃない」「英語は後でいいか」など、その瞬間の感情に判断が引っ張られすぎる。これを繰り返していると、無意識に、得意科目ばかり進んで苦手は後回しになってしまうリスクもあるでしょう。努力しているはずなのに成績が安定しない原因のひとつが、まさにここにあります。
都度行動を決めるというのは、一見すると柔軟そうに見えて、実際にはかなり効率の悪い手法なんですね。
事前に決めておけ
では、どうすればいいのか。答えはシンプルで「事前に決めておく」ことです。
重要なのは「まとまった時間が始まる前に、自分の行動を設計しておく」という姿勢です。始まる瞬間に“何をどう動くか”が決まっているかどうかで、1日の濃さはまるで変わります。
事前に決めておくことで、まず迷いがなくなります。次に何をやるかを考える必要がなくなるので、判断に使うエネルギーを節約でき、そのぶん集中に回せる。これだけでも、1日の終盤に残る疲労感が全く違ってきます。
また、今の作業に自然な区切りが生まれます。次にやることが決まっていると、「ここまでやったら次へ進む」というラインがはっきりする。だからダラダラ続けず、リズム良く進められるでしょう。
完璧なスケジュールを立てる必要はありません。「何を、どんな順番で、どこまでやるか」をざっくりでも決めておく。たったそれだけで、集中の助走がスムーズになり、勉強の密度は見違えるほど上がります。
「まとまった時間が始まってから」では遅い
「事前に決めておくことが大事なのは分かった。でも、具体的にはいつ決めればいいのか?」
多くの人がここで迷うと思います。勉強が始まる“その直前”に考えれば十分だと思う人もいるでしょう。たとえば朝起きてから「登校までに英単語を100個覚えて、そのあと数学を2題解こう」と計画を立てる。あるいは授業が6限まで終わってから「今日の放課後はまず現代文、帰宅したら世界史」と順番を決める。こうした動き方です。確かに、何も考えずに動くよりはマシです。
でも、それでも遅いんです。
まとまった時間が始まってから計画を立てるという行為自体が、すでに時間ロスです。たとえ数分でも、その間、手は止まってしまうので、もったいない。さらに、計画を立てることに脳のエネルギーを使ってしまうという点も無視できません。先ほどもチラッと触れましたが、人間の脳は「決める」という行為に最もエネルギーを消費するため、計画を建てることによって勉強を始める前に少し疲れてしまうんです。
とりわけ、朝や午前の動きをその日の朝になってから決めるのは、最も避けたいパターンです。朝はまだ体も頭も完全に起きておらず、「昨日はこれだけ進んだから、今日はここを詰めよう」なんていう、理性的かつ前向きな判断は難しいでしょう。「まあ今日はこのくらいでいいか」と、どうしても守りに入りやすい時間帯なんです。だから、朝に立てた計画はたいてい控えめになってしまいがちで、「これくらいならできそう」という妥協のトーンになりやすい。本当はもっと濃いスケジュールが組めたはずなのに、もったいないですよね。
では、いつ決めればいいのか。
答えは「その時間が始まる少し前」です。朝の行動や休日の計画なら前日の夜、放課後の動きなら授業が終わる前。まとまった時間が始まる直前ではなく、少し前の段階で決めておくことで、スタートの瞬間に“迷いゼロ”で動けるようになります。「直前に決める」は、見た目には計画的でも実際には後手。考えてから動くのではなく、動く時点で考え終わっている。この違いが、勉強の密度を決定的に分けるのです。
というわけで今回は以上。








