時間に余裕がある人ほど、勉強がはかどらない理由
どうも、フジです。
今回は「時間に余裕がある人ほど、勉強の効率が下がってしまう」というテーマ。
一見、たくさん時間があることは良いことのように思えますよね。けれども実際には、その“余裕”こそが集中力を奪い、勉強の密度を下げる原因になっていることが多いんです。
「40%あれば余裕」と思っていたら
ちょうど昨日、私は自転車で10kmほど離れたDHLの配送センターに荷物を取りに行く用事がありました。出発前にスマホを見ると充電がほとんど残っておらず、「これはマズい」と慌てて充電を始め、50%くらいまで回復したところで出発。引っ越したばかりで道も詳しくなかったため、Googleマップがなければ帰ってくることができないかもしれない状況だったのですが、「まあ50%あれば耐えるかな」と思って家を出ました。
さて、家に着いた時、バッテリー残量は何%だったでしょう?
正解は…
3%…!
帰宅した時「マジでギリギリで危なかった…」と一瞬ホッとしたんですが、すぐに思ったんです。「本当にギリギリだったのか?」と。
行きの道では充電を節約しようと、マップ以外は一切開かず慎重に走っていたんですよ。でも思えば帰り道、「まだあと40%弱残っているし大丈夫だろ」と心のどこかで油断し、音楽を流したりSNSを確認したりしてしまっていたような。行きは節約していたのに、帰りは“余裕がある”という安心感からか、無意識にいろんなことにスマホを使っていたんですね。
つまり私は、自分で「ギリギリの状況」をつくっていたわけです。
たぶん、帰り道も節約を意識できていたら、きっと帰宅時のバッテリー残量は3%じゃなくて30%ほどだったんじゃないかと思います。「人間は、余裕があると無意識に油断して、結果的にギリギリになるように行動してしまう」ということを、その時改めて実感しましたね。
時間の“余裕”が集中力を奪う
この構図、勉強でもまったく同じです。
「今日は1日ヒマだし、夜までにこの単元を終わらせよう」と思った日ほど、なぜか夜になっても終わっていない。でも「塾に行くまでの1時間でここまでやろう」と決めたときのほうが、なぜか集中して一気に進む。これは誰にでもある経験じゃないでしょうか。
人間の脳は“危機感”がないとフルパワーを出そうとしないものなんですよね。「あと1時間しかない」という状況では、脳が勝手に集中モードに切り替わる。でも「今日は時間があるから焦らなくていい」と思った瞬間、油断が生まれて能率が下がるんです。
「時間がたくさんある=勉強が進む」ではないわけです。むしろ逆で、時間に余裕がありすぎると、やる気も集中も下がっていくんです。
自分で“少し焦る状況”をつくる
これを防ぐ一番の方法は、締切効果を利用することです。おそらく誰もが一度は耳にしたことのあるワードなのかなと思います。人間は「期限がある」とわかった瞬間に、自然と集中力が高まるってやつです。
「このタスクは◯時までに終わらせる」という締切•期限をきっちりと設けることで、集中力を高めるってこと。やるべきことを1時間前後で終わるようなボリュームのタスクに切り分けた上で、それぞれのタスクについて「このタスク、これくらいあれば終わるかな」と思う時間よりも少し短めに期限を設定してあげる、そうすれば能率を最大限に高めることができるでしょう。
たとえば、「英語の長文1題に1時間くらいかかるかな」と感じたら、45分で終わらせる前提でタイマーをセットする。最初はきつく感じるとは思いますが、人間の体ってすごいもんで、“少し足りない時間”を埋めようとしてグッと集中力を高めてくれます。
さらに効果的なのは、そうやって設定した締切を複数つなげてスケジュールを組むことですね。たとえば「14:00~14:45は英語長文」「14:50~16:00は数学の演習」「16:00~16:30は古文文法」みたいに、どんどん次のタスクを詰めていく。こうすると、ひとつでも遅れると次の予定が崩れるため、自然と「なんとしてもこの時間内に終わらせなきゃ」という意識が働くわけですね。
この“連鎖型スケジュール”は本当に強力です。無駄を削るための最も効果的な仕組みだと思います。1日の勉強を「流れ作業」にせず、ひとつひとつの区切りに明確な締切を置くことで、集中のスイッチを何度でも入れ直せるようになりますよ。
多くの受験生が「余裕を持つこと」を大事にしようとします。もちろん睡眠や健康面での余裕、長期的なスケジュールでの余裕は絶対に必要です。でも、勉強時間に関しては“余裕を持ちすぎる”ことが逆効果になる場合がある。
大事なのは、焦るくらいの時間感覚を保つことです。人間は追い込まれたときに最も効率的に動けるようになっている、だからこそ、自分で少し厳しい締切を設定し、それを積み重ねていく習慣をつけてください。
余裕を使い切る人ではなく、余裕をコントロールできる人が伸びていきます。締切を味方につけた瞬間、勉強の密度は確実に変わります。
というわけで今回は以上。










