(サムネイルの一部は提供 EPICURE)
皆さん、こんにちは。
これから「〇〇ってどんなお仕事?」をテーマに、様々な職業の方へのインタビューを行なっていきます!
高校時代のエピソードからその職業に就いた理由まで、毎回詳しく取材していくので、皆さんもぜひ進路選びの参考にしていただけると嬉しいです!
第2回目の今回は国内外のレストランを経て東京・元麻布にあるレストランEPICURE(エピキュール)のオーナーシェフを務めている藤春幸治さんに「料理人ってどんなお仕事」をテーマにインタビューしてきました!(以前の記事で受験勉強時や、受験当日に眠くならない食事方法についてもシェフにインタビューしています。詳しくはこちら)
盛り沢山の内容になっているので
- 第1回:中卒から麻布のオーナーシェフへ!?藤春シェフの少年時代とは
- 第2回:僕の血筋は職人!藤春シェフがそう語る訳
- 第3回:藤春シェフが今こそ高校生に伝えたい大切なこと(今回)
からなる豪華3本立てでお送りします!
目次
- 豊田章男会長との出会い
- 章男会長からのお願い
- 揚げても低カロリーなドーナツとは
- 笑顔の量産を全国へ!しかも水素で?
- シェフにとってのドーナツとは?
- 今後の展望 俺〇〇〇始める!
- 高校生へのメッセージ
(今回インタビューをした藤春幸治さん)
(EPICUREにて著者が撮影)
豊田章男会長との出会い
トヨタ自動車の豊田章男会長(モリゾウさん)と一緒に作ったモリゾウドーナツもケアリングフードの1つの取り組みだと思います。
そして今藤春シェフと話していて強く感じたのが、藤春シェフは料理界のモリゾウさんだなと。
自分以外の誰かの為に行動をしている点、誰かに喜んでもらう行動、お客様第一な点などがモリゾウさんが日々言われている理念に通づる物があると感じました。
そう言ってもらえてすごい嬉しいしすごく光栄です。
すごく偉そうなことを言うと章男会長が言っている言葉がすごく頭の中に入ってくるんです。
自己よりも自他というキーワードや、先ほど似ていることを言いましたが、「おじいちゃんに褒められたい」などのような言葉を聞いて非常に近いなと感じています。
僕の中だけですが、章男会長が言っている言葉にすごくリンクしていますね。
章男会長が言われている「笑顔の量産」これを聞いた時に「ひょっとしたら僕がやりたかったことは笑顔の量産なのかもしれないな」と思いました。
章男会長との出会いは僕にとって第2のターニングポイントとなっていい影響を与えてくれている感じですね。
自分がやっていることは小さい事だけど、信念という意味では章男会長と非常に近くて目標にしているってのはありますね。
(藤春シェフとモリゾウさんが出会った時の画像)
(提供 EPICURE※トヨタ自動車の許可済)
章男会長からのお願い
章男会長がレストランにいらした際に「シェフさぁちょっとお願いがあるんだけど、罪悪感のないドーナツを食べたい。」とお願いをされました。
章男会長からの要望である「罪悪感のないドーナツ」を作ることにしましたが簡単ではありませんでした。
実を言うとドーナツを作ったことすら無かったのですよね。
僕の料理人人生においてドーナツを本気で作ったことは無いんですよね。
ただ自分は「誰かの笑顔のために」「誰かを喜ばせたくて」「誰かのためになりたくて」料理人をやっています。
そしてその前提には「お客様第一」のスタイルがあります。
過去に章男会長がバブソン大学の卒業式で行ったスピーチを見る機会がありドーナツが好きなのは知っていました。
ただ章男会長は「罪悪感の無いドーナツ」というキーワードを出されたんですよね。
そして罪悪感の無いドーナツはどんな物なのか考えました。
健康的なドーナッツ?糖質やカロリーが少ないドーナッツ?
地球にやさしいドーナッツ?など様々な観点から模索していきついたのはすべて網羅したドーナッツでした。
健康的、糖質やカロリーを抑えたいという点でおからという原料に着目しました。
糖質を抑えて高たんぱく質のおからを使用することで罪悪感なくが実現できる。
おからの廃棄も問題視されているので食品ロスやSDGsの観点からも貢献できる。
ただ罪悪感を感じる1番の理由として言われるのが油で揚げてる点です。「結局油で揚げているやん。だから健康に良くないんだよ」
でもおからを使用することで生地が油の吸収を抑えてヘルシーを可能にしました。
ドーナツって油で揚げないとドーナツじゃないんです。だって焼きドーナツってドーナツの味しませんよね?
なので僕はドーナツって認識してもらえる為にも油で揚げるということを決めていました。
だって章男会長のお願いは「罪悪感の無いドーナツ」ですから。
またモリゾウドーナツはアレルギー物質(※アレルギー28品目に含まれる物)で大豆しか使っていません。
なので章男会長の言ってる罪悪感がないというのは、自己的に罪悪感がないという部分と、「アレルギーがある人と一緒に食べれる」という人にも優しいドーナツだと思いました。
みんなで同じテーブルで、同じ場所で、同じエリアで、同じドーナツを食べれることを目指しましたね。
じゃないとモリゾウの名に恥じると思ったので、あそこまでのスペックでやりました。
笑顔の量産を全国へ!しかも水素で?
3月に放送されたトヨタイムズで全国行脚を水素を使った車両で行うことを章男会長から許可貰っていましたがもう回られているのですか?
それトヨタに言ってよ〜(笑)
実はそこに色々問題があってまだ回れていません。まず水素の車両で全国を自走で走ることが難しいってのが1点です。
確かに地方に行くと水素インフラが整っていませんもんね。
そうです。あと「能登半島などの被災地を回りたい」と章男会長に話したのですが、今使っているFCEV(燃料電池自動車)の車両は被災地を走れるスペックでは無いそうで…。
被災地を走るには車高の問題や、走破性能などが、今使っているFCEVの車両はそこまで考えてなかったそうです。
ただ全国行脚の案件は何個か挙げています。例えば地方自治体と組んでの様々なイベントですね。
やっぱりアレルギーを持っている方やその家族は、地域でお祭りやイベントがあると耳を塞いじゃう方って少なくありません。
アレルギーを持っているお子様がイベントに行って「間違えてアレルギー物質を含む何かを食べてしまうかも」や「友達と行ってお好み焼きとか食べさせられちゃったら死んじゃうかもしれない」そう考えると「やっぱり怖い」と感じてイベント事に行けないんです。
でもそういった場に、水素のキッチンカーでアレルギーに対応したモリゾウドーナツを提供できたら…。
今までアレルギーが理由でイベントに参加できなかった方達が、足を運びやすくなるきっかけになり得ます。
そして実際にそれがきっかけとなり実際に足を運んでくださった方がいます。
3月に鈴鹿サーキットにてモリゾウドーナツを出した時に訪れてくれたとあるご家族です。
そのご家族は長年鈴鹿市に住みながら1度も鈴鹿サーキットに来たことがありませんでした。
しかし今回アレルギーを持っていても食べられるモリゾウドーナツがあるということで入場券を購入して、モリゾウドーナツだけを食べに来てくれました。
そのついでに自動車のイベントを見て「すごかった」とお言葉をいただきました。
この様にアレルギーが原因でイベントに参加出来なかった方が脚を運びやすくなるきっかけになればいいなと思っています。
シェフにとってのドーナツとは?
モリゾウドーナツの話を聞いた際、章男会長が2019年に行った「皆さんも自分だけのドーナツを見つけてください※」という名スピーチを思い出しました。藤春シェフにとってのドーナツはなんですか?
※2019年にアメリカのバブソン大学卒業式にて、ゲストスピーカーとして招かれた章男会長によるスピーチのこと。英語の使い方はもちろんのことスピーチとしても大変素晴らしい内容ですので、ぜひ一度ご覧ください!(アプリokke上でも見ることができます)
あの発言も章男会長の中ですごく意味深なキーワードだなと思っています。
僕の解釈ではありますが、やはり好きなもの、自分の心が落ち着く場所と、その原点に帰れるものってことを考えると、僕の場合は人が喜ぶ事がドーナツになりますね。
何故なら僕にとって料理こそが人を喜ばせることが出来る唯一のコンテンツだからです。
例えばどこかに寄付などをすれば喜んでくれる人はいるかもしれません。ただ継続的に寄付を続ける財力は、僕にはありません。
またボランティアも寄付同様に喜んでくれる人はいるかもしれません。ただ寄付同様に継続性が難しいです。
1年2年程度であれば継続できるかもしれません。しかし5年10年っていう風に長期間に渡って、継続性が自分の中で保たれるかと言われたら限界があるだろうと思ってます。
そう考えると章男会長の言っている自分だけのドーナツは、人が喜ぶことと言っても良いかなと思っています。
(藤春シェフとモリゾウさん)
(提供 EPICURE※トヨタ自動車の許可済)
今後の展望 俺〇〇〇始める!
(インタビュー前に)お話をした際に「俺ラリーやりたいんだよね」と言っていたじゃないですか。
藤春シェフは今48歳ですが、モリゾウさんがレースを始めた時期に被るなと思いまして。
本当にラリーなりレースに出たいですね。富川さん※1をコドラ※2で(笑)。
※1富川さんとは元テレ朝で現在のトヨタイムズメインキャスター。昨年ロンドンブーツの田村亮さんのコドラとしてラリーに出場経験あり。
※2コドラとはラリー競技で道順や注意点をリアルタイムでドライバーに伝えるコ・ドライバーの略称。
(トヨタイムズ 富川悠太さん)
(ラリージャパン2024にて著者が撮影)
モリゾウドーナツにちなんで水素エンジン車両をお借りしたりとかいいかもしれないですね!
当然、水素も訴求していかないといけないのでね!
水素エンジンのラリーカーでモリゾウドーナツを配りながら行きますか(笑)。記事に入れといてくだいさい!(笑)
俺もラリーしたい!
高校生へのメッセージ
最後に高校生へメッセージを一言お願いします!
僕の体験談になりますが「自分に嘘をつかない事」これが夢を叶える上で1番大切なことだと思っています。
例えば何か失敗してしまった時に、決して隠したり、誤魔化すのではなく、「すぐに認めて謝罪すること」ですね。
結果それが、大きな失敗だとしても変わりません。周りの人は「嘘をつかずに謝罪した事」も含めて周りは全て見てくれています。
僕もケアリングフードをやっていて嘘をついて誤魔化そうと思えばいくらでもつけるんですよね。
そして嘘をつけば簡単に評価されるかもしれません。
ただ、嘘をついていると自分自身のスキルが向上することはありませんよね。
そして本当の人(その分野で一流のスキルなどを持つ人)が見れば「こいつ浅いなと」すぐに見透かされます。
少なからず自分には嘘がない行動をとってほしいと思います。
失敗をした時にはごめんなさいとしっかりと謝罪をする。
同時に一度足を止め、できる方法を考え、嘘なくやることが人間性に反映されます。
そして周りから「こいつは、バカで技量がねえけど、ほんと真剣に嘘がない真面目な人間」だと認識されれば必ず夢への道は開かれます。
僕は中卒で学歴もありません。でも嘘なく料理に向き合って、人を喜ばせることは嘘なく集中すること、それだけをやってきました。
その結果、いろんな人達に支えられて、今日も皆さんにお会いできることのきっかけにもなりました。
繰り返しになりますが、皆さんには夢を諦めずそして自分には嘘つかずに頑張って欲しいです。必ずその先に夢への道はある!そう思いますね。
「第1回:中卒から麻布のオーナーシェフへ!?藤春シェフの少年時代とは」「第2回:僕の血筋は料理人!藤春シェフがそう語る訳」「第3回:藤春シェフが今こそ高校生に伝えたい大切なこと」の3本立てからなる記事もここまでです。いかがでしたか?
今回インタビューをした藤春シェフは中学時代などでは学校に馴染めずに、中学校卒業後すぐに料理人の世界に入り、自分の好きな事を嘘偽り無く極めてきました。
そして現在に至るまでシェフの第1線で活躍していることは、現在学校に馴染むことが出来ず悩んでいる方への1つの選択肢になり得るのではないでしょうか?
また藤春シェフの現状に満足する事なく貪欲に料理と向き合うその姿勢こそ、皆さんが日々の勉強に取り組む上でお手本にするべき姿勢だと感じました。
皆さんも嘘偽りなく、素直にそして謙虚に夢を追いかけてみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。














