高い経済成長率を維持しており、GDPは急速に増加。2025年には日本を抜いて世界第4位になると予想されている。
また、これから人口ボーナス期に入り、労働力人口の増加に伴う成長の加速が期待される一方、十分な雇用が確保できるか(失業対策)が懸念されている。
ICT産業が非常に盛んで、GDPに占める割合は10%ほどに及ぶ。
一方、製造業の発達が遅れており、雇用の確保などが問題となっている。
インド経済の最大の弱点は、製造業の発達が遅れていることである。
製造業は、
など、経済に極めて大きな影響を与える。
特に雇用を生み出す力は強力で、製造業はICT産業よりはるかに多くの労働者を必要とする。
逆に言えば、人口ボーナス期に入り大量の労働力が供給される中、製造業が発達しなければ雇用が増えず、大量の失業者を生み出してしまう。
そのため、モディ政権は「メイク・イン・インディア」政策を推進しており、外国企業の工場を積極的に誘致している。
また、近年米中対立が激化するなか、中国から別の国に工場を移す動きが加速しており、インドは民主主義陣営として中国からの工場の移転を積極的に誘致している。
Apple社がiphoneの生産を一部インドに移すなど中国からインドへの工場移転が始まっており、今後の動向が注目される。
植民地時代、英国によるプランテーション開発が盛んにおこなわれ、商品作物栽培が盛んになった。
この時代に茶栽培が発達するなど、プランテーション農業が広がり、商品作物の栽培が盛んになった。
また鉄道の整備が進み、交通の近代化が行われた。現在でも、植民地時代に敷設された鉄道が活躍している。
一方、インドはイギリス植民地帝国の中で一次産品の供給地としての役割を担っていたことから、工業の近代化は遅れた。
独立後、ネルー首相のもとで社会主義的な計画経済が導入された。
1956年以降は、輸入代替型工業化政策のもと、重工業の発展に重点が移り、
などの基幹産業の育成が図られた。
しかし、製造業の発展は頭打ちとなり、1980年代には深刻な経済的停滞に苦しんだ。
事態を打開するため、1991年、新経済政策が始まり、経済自由化を開始した。
などを行った結果、経済は急成長した。
政府によるインフラ投資の活性化、国民の所得向上も重なり、近年経済は爆発的な成長を遂げている。
GDPは世界第5位(2023年)で、IMFの推計によると2025年には日本を抜いて世界第4位となる見通し。
(Data commons)
21世紀に入ると、米国でIT産業が急成長した。
これに伴い、インドでもIT産業が成長をはじめた。
特に南部のバンガロール(ベンガルール)の成長は顕著で、「インドのシリコンバレー」と呼ばれるまでになった。
詳しくはインドのIT産業を参照。
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