機械工業
機械工業
機械工業には、次のような分類があります。
- 一般機械(工作機械など)
- 電気機械(家電、パソコンなど)
- 輸送用機械(自動車、船舶、鉄道車両など)
- 精密機械(時計など)
さて問題です。この中で最も高い技術が必要なのはどれでしょう?
一般機械
初っ端からネタバレですが、これが最も高度な技術を必要とします。
一般機械とは、大雑把にいうと工作機械など、「物を作るために必要な機械」を指すことが多いです。要は工場に置いてある機械のことです。
工場見学のテレビ番組とかありますよね。あれに出てくる機械ってめっちゃすごいじゃないですか。ああいう機械が一般機械です。
あとは産業用ロボット。それから半導体製造装置。半導体製造装置なんてすごいですよ。一台150億円とかしますからね。
一般機械、名前の割にすごいってことがなんとなく感じてもらえたでしょうか。これは日本が得意な分野です。
電気機械
テレビ、洗濯機などの家電、それからスマホ、パソコンなどの情報通信機器を指します。
ハイテク産業とかエレクトロニクス産業とか言われる分野も一部ここに被っていたりします(コンピュータや半導体など)。
これらの機械は、研究・開発は先進国でも行われているものの、組み立てには多くの労働力を必要とすることから発展途上国での生産が中心です。
研究開発も中国を中心に近年途上国で伸びてきており、競争は激しくなっています。
- 研究・開発→先進国・途上国
- 組み立て→途上国
といった感じです。
輸送用機械
どれも基本的には先進国中心です。
細かいことはそれぞれの項で書いたのでそちらを参照してください。
鉄道車両についてはまあまず受験には出ないので気にしなくていいです。
精密機械
顕微鏡や時計など、いかにも精密そうな機械のことです。部品や組み立てに高い精度を必要とします。
必要な技術水準は決して低いわけではないんですが、高度な一般機械には負けるといったところで、市場規模もそこまで大きくなく、高校地理ではあまり重要度は高くありません。
伝統的にはスイス、日本だと長野県の諏訪湖周辺で精密機械工業が発展してきました。
補足
国の公式な分類として上記の4分類がなされているというわけではなく、実はこれまで述べた分類は一般的に用いられている用法をもとに高校地理用に組み直されたもので公的なな定義ではありません。
ので、ある程度ゆるく言葉を使ってもらっても構わないと言えば構いません。この分類の他にも、エレクトロニクス産業とかハイテク産業とか、電気機械に含まれるはずの情報通信機器と被る所もありますし、その辺は細かく指摘されることはないので気にしすぎなくても大丈夫です。