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鉄道交通


鉄道

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鉄道が他の交通機関に対して優れている点は、

  • 輸送効率・・・少ない人員で大量の人・モノを運べる
  • 大量輸送が可能・・・一度に多くの人・モノを運べる
  • 定時性・・・自動車よりはマシな程度
  • 速達性・・・高速鉄道は優れる

鉄道の優位性は、主に大量輸送

19世紀に発達したが、モータリゼーションにより地位が低下。

近年は、環境性能の高さから見直しが進んでいる(モーダルシフト)。

旅客輸送と貨物輸送

旅客と貨物では競合相手が違うため、旅客と貨物は分けて考える必要があります。

  • 旅客・・・自動車・航空機
  • 貨物・・・自動車・船舶

がライバルになります。

旅客

旅客であれば、鉄道はそこそこ利便性と速達性があります。 都市部では地下鉄が網の目のように張り巡らされ、いろいろなところに便利に行けるという点で自動車と競合できます。東京や大阪のような大都市では、車より電車の方が速くて便利というのもよく言われますよね。

さらに、新幹線のような高速鉄道速達性で航空機と競合できます。高速鉄道網が広がり、かつ都市間の距離が比較的近い日本やヨーロッパでは航空機と高速鉄道が競合している例がみられます。

貨物

貨物列車は、船舶に近い性質を持っています。

ぶっちゃけ鉄道貨物は遅いです。飛行機どころかトラックにも負けます。

鉄道貨物は貨物ターミナルでの積み替えと末端のトラック輸送が必要であるため時間ロスが大きく、短距離だとトラックの方が速いのです。

日本でいうと、東京大阪間くらいの距離で鉄道が本気を出してやっとトントンくらいです。鉄道貨物は、速達性では勝負できないのです。

そのため、鉄道はもう一つの特性である大量輸送だけで他の交通機関と戦うことになります。となると、ライバルは船舶ということになります。

日本の鉄道貨物が壊滅的なのも、アメリカ合衆国の貨物輸送の主役が鉄道なのも、ここに理由があります。日本では内航海運が便利で、アメリカ合衆国は内航海運が超不便だからです。

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日本は細長い島国なので、船でも鉄道でも大して距離が変わらない上に船の方が安く多くの貨物を一度に運べ、船舶の方が優位になります。

対してアメリカ合衆国では、大陸横断をしようとすると鉄道の方が圧倒的に有利です。鉄道だと一直線で行けるのに対し、船舶だとパナマ運河を経由する必要があり、非常に遠回りで運河の通行料もかかってしまいます。

モータリゼーションと鉄道

モータリゼーションの進行によって、鉄道のシェアは自動車に移行しつつあります。

基本的に、経済発展が進んだ国ではモータリゼーションが進行しています。そのため、先進国では基本的に旅客輸送のほとんどを自動車が担っています。鉄道利用の多い日本は例外的存在なのです。

反対に、モータリゼーションがまだ進行していない発展途上国では鉄道のシェアがまだ高い状態が続いています。インドが良い例ですね。

また、アフリカの国など20世紀に入ってから本格的に開発が進められた地域では、開発を始めた時期に既にモータリゼーションが始まっていたということもあり、鉄道がほぼ存在せず車社会になっているという例もあります。

モーダルシフトと鉄道

近年、トラック運転手の不足や自動車輸送の高い環境負荷への対応として、先進諸国でモーダルシフトが進められています。

モーダルシフトとは、「モーダル modal = 交通手段」を「シフト shift = 移行」するということで、

移動手段を自動車や航空機から鉄道に移行させよう

という運動です。

二酸化炭素排出量削減が叫ばれる今、自動車や航空機より圧倒的に省エネで人や物を運べる鉄道は環境にやさしい交通手段として脚光を浴びています。

特にヨーロッパでこの動きが盛んで、比較的近距離の旅客輸送ではCO₂排出量の多い航空機をやめて鉄道だけにしよう、貨物もできるだけ鉄道で運ぼう、と大々的に推進されています。

特殊な国、鉄道大国日本

日本は世界に冠たる鉄道大国です。輸送人員は世界第三位、利用者の多い駅ランキングでも上位20駅のうち17駅が日本です(世界一は新宿駅)。

日本の鉄道利用は、大都市の通勤通学需要新幹線などの長距離利用の二本柱で成り立っています。東京に限らず都市部に住む人は日常的に鉄道を使うはずですし、日本では地方にも路線網が細かく広がっています。逆に人生で一回も鉄道に乗ったことがないという人を探す方が難しいでしょう。鉄道は日本人にとって身近な存在であるはずです。

東京の通勤電車というのは、世界で唯一の存在です。あんなにバンバン電車が来て、その全部に人がすし詰めになっていることなんて他の国ではまずありません。

ちょっと考えてみてください。混雑することで有名な総武線各駅停車だと、編成定員が約1500人、乗車率が約200%なので電車一本当たり約3000人が乗っている計算になります。それが2、3分おきに来るので、10分間で約12000人、一時間で約7万人を運んでいるわけです。半端ない輸送量です。

こんな調子なので、日本人の我々としては鉄道は非常に身近な存在で、あって当たり前、普段乗って当たり前という感覚でしょうが、これは世界的に見ると非常に特殊な状況であり、外国ではそうはいかないというのは理解しておく必要があります

例えばアメリカなんかは鉄道は貨物のために存在すると言っても過言ではなく、人が乗るのは大都市の地下鉄か郊外の通勤路線だけ、それもラッシュ時間帯で一時間に数本来る程度のもので、長距離列車に至っては週に2,3本しか来ないような有様です。日常の移動手段はほとんど車、長距離の移動は飛行機で、そこに鉄道が入り込む余地はないのです。

ヨーロッパだと鉄道網も発達しておりもう少し鉄道が身近ですが、それでもやはり日頃の通勤通学で鉄道があまり使われないために利用者は日本に比べると段違いに少なくなっています。

日本、特に東京や大阪の感覚は外国とは大きく違いますから、気を付けて下さいね。

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