モーダルシフト
簡単なまとめ
輸送モードを転換すること。特に、自動車から船舶・鉄道に転換すること。
環境保護、輸送効率の向上が目的。
自動車交通の成長による問題
これまで、自動車、鉄道、航空、船舶という4つの交通手段を解説してきました。
現在、この中で最も利用されているのは自動車です。
しかし、自動車に頼りすぎてしまったことで、様々な問題が発生してきました。
- 交通渋滞の悪化
- 二酸化炭素排出量の増加
- 輸送効率の低下、人手不足
が代表的です。
渋滞問題
トラックが増えすぎ、渋滞が悪化しているというのは皆さんも身近に感じられるでしょう。
交通量の増加、それに伴う渋滞の増加は、輸送効率の悪化、交通事故の増加、二酸化炭素排出量の増加など、多くの問題を引き起こします。
二酸化炭素排出量の増加
また、自動車は鉄道や船舶に比べて、運べる旅客・貨物の数量に対する二酸化炭素排出量が多い交通モードです。
同じ重さ・距離を運ぶのに、自動車は船舶の5倍、鉄道の10倍以上のCO₂を排出するんです。
最近は脱炭素が叫ばれていますし、環境政策としてもモーダルシフトは有効だということです。
また、近年は貨物だけではなく旅客でもモーダルシフトを進めようとする動きが始まっています。
例えばフランスでは、鉄道で2時間半以内で行ける範囲では航空路線を設定してはいけないという法律が成立しました。日本でいうと、東京ー大阪間の航空路線は設定禁止というくらいの規模です。
人手不足
自動車交通は、運転手一人で運べる量が鉄道や船舶に比べて非常に小さく、輸送量に対して多くの人員が必要です。
例えば、日本の貨物列車では大型トラック約60台分を一度に運んでいます。貨物列車の運転士数人に対してトラック運転手60人。輸送効率が圧倒的です。
特に、近年日本では深刻なトラック運転手不足になっていて、このままでは現在の円滑な物流を維持することは不可能です。
そのため、国策として貨物列車や貨物船への輸送モードの切り替えが急ピッチで進められています。