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前回に引き続き,昭和9年の東北大学の入試より積分の問題をピックアップ。
前回のも難しかったですが,今回はさらに難易度が上がっています。
誰かが勝手に作ったマニアックな問題というわけではなく,実際に国立大学の入試で出題されたというのですから驚きです。
そもそもこれは広義積分になっているので,まずは収束性から証明する必要があります。
log の中身が x であれば評価しやすいのですが,中身は残念ながら sin 。
そこで,無理矢理 x での評価に持ち込むために,0 ≤ x ≤ π/2 で成り立つ不等式 (2x)π ≤ sinx を用います。
これにより,つまるところ x → 0 での xlogx の収束を示せばいいことになりますね。
その証明もそこまで簡単ではないのですが,動画では二項定理を用いて示しています。
収束性が示せたら,あとは積分区間を広げたり sinx = 2sin(x/2)cos(x/2) としたりして積分を変形し,対称性を利用して答えを出していきます。
三角関数自体の積分計算をせずに答えが出てしまうのが面白いところです。
高校数学の範囲で原始関数を書き下すことはできないのですが,定積分の値は出てきます。なんとも不思議な問題ですね。
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【プロフィール】
林 俊介 (はやし しゅんすけ)
オンライン家庭教師を運営する会社の社長。
大学の講師もやっています。
2015年 筑波大学附属駒場高等学校 卒
2015年 東京大学理科一類 入学
2019年 東京大学理学部物理学科 卒
・2014年 日本物理オリンピック金賞
・2014年 東大実戦模試物理1位
・東大入試本番では数学で 9 割を獲得
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<目次>
00:00 昭和9年 (1934年) の東北大入試
00:41 広義積分→収束性の議論が必要
01:59 log(ax) で下から評価したい
05:43 2x/π ≤ sinx の証明
08:02 収束性の証明
13:52 0〜π の積分に変形
15:40 2 倍角 → log の和にする
16:39 積分 J1, J2 の計算
19:28 答えと解法のまとめ
22:58 おわりに