皆さんこんにちは。涼椎街です。
今回から2回にわけて、おすすめの短編集を6冊紹介していきます。今日はその前編です。
3冊挙げるので、ぜひ手に取ってみてください。
1.相沢沙呼『雨の降る日は学校に行かない』
あらすじ
6人の中学生は、みんな苦しんでいた。保健室登校、冷やかし、書き溜めた遺書、スカートの長さ、自撮りの投稿、そして、いじめ。凄惨な現実を前に心を閉ざしかけ、それでも戦い抜いた女の子たちの心情を細やかに紡ぎ出す。学校が嫌いなすべての人へ送る6編。
感想
心を搔き乱すような描写に、読むのが止まりませんでした。途中で泣いちゃいました。すごく苦しい小説です。でもだからこそ読んでほしい。苦しいだけで終わらせない光が必ずあるので。
2.乙一『失はれる物語』
あらすじ
頭の中で携帯電話を作り上げると、やがてそれは妙なリアルさを帯び始め、ついに着信がかかってきた……。女子高校生が妄想で繋がった男子と送る切ない日々を描いた「Calling You」、泥棒をするために家に穴をあけていると部屋にいたアイドルに手を掴まれてしまった「手を握る泥棒の物語」など、淡い喪失感に包まれた8編。
感想
私が小説を好きになり始めた頃に読んだ、バイブル的な作品です。紹介した2編以外も、めちゃくちゃよかった……。乙一だからこそ味わえる極上のエンタメ小説集だと思います。ミステリーはもちろん、ユーモアに振り切ったコメディもあり、タイトルの通り「失はれた」恋愛もあり、色んな楽しみが詰まっていて、最高の読書になりますよ。
3.紅玉いづき『15秒のターン』
あらすじ
学校全体が学園祭で盛り上がる中、別れを告げるためにこっそりと彼氏の梶くんを呼び出した橘ほたる。二人の間に流れる最後の15秒間を写した「15秒のターン」。チョコとあめめの二人でソシャゲの頂点を目指す。女性同士の強かな友情が瑞々しい「戦場にも朝が来る」。他に、自分に自信が持てない女の子がクラスの冴えない男子との交流をきっかけに希望を見つける「この列車は楽園ゆき」など、何かを捨て、何かを手に入れた女の子たちの煌めきを宿した5編。
感想
「この列車は楽園ゆき」が本当に大好きです。これ読んでから根暗な女子と冴えない男子の恋愛小説を書きました(影響受けすぎ)。計3万文字くらいです。でも本作は恋愛の一言で片づけられるお話ではありません。名前の付けられないような関係性が素敵だと思いました。表題作は、15秒間という刹那を小説の形で切り取ろうとしたのが一創作者として驚きましたね。さすが高校時代、全国大会の覇者。紅玉いづきの書く女の子は唯一無二だと痛感します。
まとめ
短編集は読みやすく且つ面白いと思い、紹介させていただきました。
私も通学中にバスに揺られながら読んでましたね~。車内で30分くらい暇だったんです。短篇を一本読むのにちょうどいい時間でした。
休憩時間に読みだすと流石に10分では読み切れず、すぐにチャイムが鳴って、「いいところだったのに!」と唸っていましたが笑。
最近は寝る前に、村上春樹の短編集を読んでいます。内容は難しいことが多いですけど、文章がすごく馴染むので、睡眠導入に最適というか……。すみません、村上春樹を睡眠に使うなってハルキストに怒られそうだからやめます。
余談が長くなって申し訳ありません。最後まで読んでいただきありがとうございました!










