昨今データサイエンス教育が盛り上がっていて、大学の学部やプログラムもどんどん増えていますが、実際どんなことが学べるのか、よくわからない人も多いのではないでしょうか?
そこで、進路選びの参考になればと思い、「データサイエンスとはなんぞや?」シリーズを記事にしていこうと思います!
今回はその第1弾として、同志社大学でデータサイエンス教育をご担当されている教員の方に、「どのようなことを学べるのか」「どのような特徴があるのか」などについて、詳しくお話を伺いました。
大学での学びのイメージを膨らませて、進路を考えるきっかけになると思うので、ぜひ読んでみてください。
大学でのデータサイエンスの取り組みについて
- 最近、進学情報でも「データサイエンス」という言葉をよく聞きますが、どんな背景があるのでしょうか?
大学生は、AIやデータサイエンスについて全員学びましょうということで、文部科学省が必須化したんですよね。それで、どの大学もプログラムや授業を用意するなど、準備を進めている状況です。
- なるほど、必須なのですね。同志社大学さんでは、どのような取り組みが始まっているのですか?
全学部の学生を対象として、「同志社データサイエンス・AI教育プログラム(略称:DDASH)」(読み方はディーダッシュ)という独自のデータサイエンス・AI教育プログラムを始めています(公式サイトはこちら)。
同志社大学では、遡ること2005年には文化情報学部というデータサイエンス系の学部を立ち上げていたのですが、そのノウハウを活かして、全学部の学生が履修できるプログラムにしたようなイメージです。
- 「DDASH」かっこいいですね。具体的には、どのようなプログラムなのでしょうか?
まず、学部生に対しては、レベルによって以下の3つの段階に分けています。
※「DDASH-E」は大学院生向けのプログラム。詳しくはこちらの公式サイトから。
内容としては、例えば多くの学生が受講する最初の「リテラシーレベル」ですと、数理的・論理的な話から、実社会のセキュリティの話にいたるまで、幅広い授業を用意しているほか、さまざまな外部講師をお招きして、実際の社会でのデータの利活用について話をしていただいています。
また、NTT西日本と連携し、「DAIB」という学習を支援するAIチャットボットを作っていて、いくつかの必修科目については、授業の要約、演習問題作成、キーワード解説、フリーワード質問対応などを全て自動でできるようになっています。これは学生からもとても好評です。DAIBは電子教科書と連携しており、質問の回答に関連する教科書のページにすぐに飛んで確認したりもできます。
AIの活用はこれからの時代に必須のスキルですが、使いこなせているかに個人差があり、まだ検索にしか使っていない学生も多いのが現状です。この学習支援システムを通じて、「AIを活用すれば、こういう便利なこともできるんだよ」と、AIの活用事例を紹介する役割も担えればと考えています。
- めちゃくちゃ便利ですね...!どのような学生がプログラムを履修しているのでしょうか?
DDASHのリテラシーレベルと応用基礎レベルは、文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」の認定プログラムであり、履修を完了することで、学習歴のデジタル証明であるオープンバッジを発行しています。就活にも使えるので、文系の子たちも多く取っている印象です。リテラシーレベルについては、同志社大学の全学生の2割以上が履修していますね。
リテラシーレベルでは、なるべく数式は使わず、概要を学べるようにしているので、どんな学生であっても入り込みやすいと思います。
また、授業は全てオンデマンドで受けられるようにしており、いつでもどこでも受講できるので、他の学部の授業とも、時間割の被りを気にせずに履修できるのが学生にとっても嬉しいようです。
- 就活のお話がありましたが、やはり就職する際にもデータサイエンスは必須の知識になっているのでしょうか?
社会人基礎力として、必須になってきているようです。大学でこういう学びをしましたよ、認定を受けましたよ、というものが、就活のときに企業側に示せるのは大きいようですね。
- 特にデータサイエンスの知識が求められる学部はありますか?
理系はおそらくどこでも統計を学ぶので、自然とデータサイエンスの知識も身につけやすいと思います。ですので、ここではあえて文系の学部を挙げるとすると、特に経済学部・法学部・商学部ですかね。
これらの学部で学ぶ内容は、データの根拠をもとに考えていかないといけないことも多いので、データサイエンスの知識は必須かと思います。
マーケティングや商品企画に興味のある高校生の方も多いと思いますが、「アイデアを考えれば良いんだから、データや数字は使わないんじゃないの?」と思う高校生の方もいるかもしれません。しかし、実際は全くそんなことはなく、データを読み解く力は必須です。
これらの分野では、アイデアの「切り口」が大事になってきますが、データが、どのアイデアの筋が良いかを考える際のサポートをしてくれるというイメージです。また、行った施策の結果を振り返ったり、誰かにわかりやすく伝えたりするためにも、データを読み解く力は必要不可欠なのです。
なので、「データ=数字=理系のもの」という発想は捨てて、文系の方にこそデータサイエンスを学んでほしいなと思います。
- 最後に、データサイエンスに限らず、高校生に向けたメッセージがあればお願いします!
高校生の方々にとってはそこまで実感がないかもしれませんが、大学での学びの環境は大きく変わっています。
ですので、これまで以上に、自分で自分自身をマネジメントすることが大学生に求められている、ということをぜひ知っておいていただきたいです。
大学で新しい環境に入り、単に環境に流される子と、自分で環境を作っていく子で、大きな差が生まれてしまいます。ぜひ大学が提供するさまざまな機会を調べ、活かし、自分で能動的に環境を切り開いていってもらえたらと思います。
- ありがとうございました!
はい!インタビューはここまでです。いかがでしたか?自分も、大学での最先端のデータサイエンス教育を知る良いきっかけになりました。
お話をお伺いして、
- 学部や文理によらず、誰でもデータサイエンスの素養を学べる点
- オンデマンドでいつでもどこでも学べる点
- 生成AIや電子教科書を活用した最先端の環境で学べる点
が、同志社大学のデータサイエンス・AI教育プログラム「DDASH」の魅力だなと思いました。授業の要約を自動で作ってくれるのは本当に良い時代ですね。笑
公式の特設サイトがあるので、DDASHについて詳しく知りたい!という人は、下のバナーから飛んでいろいろな情報に触れてみてください!実際の学生の体験談も載っていますよ。
同志社大学さん自体の紹介は、以前別の記事で出しているので、まだ読んでいない方はぜひこちらも読んでみてくださいね。
読んでいただき、ありがとうございました!





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