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局所生体染色法【発生】 高校生物


矢口はっぴー

5分58秒

シリーズ

発生 高校生物 #3

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説明

【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
フォークトの行った局所生体染色法について解説します。
語呂「フォークソングは曲っしょ。(フォークト、局所生体染色法)」
語呂「ナイル川でブルーになり、チュウで赤くなる奴は無害だね(ナイルブルー、中性赤は無害な色素)」
無理矢理ですね。すみません。
●フォークトは、中性赤(ニュートラルレッド)やナイル青(ナイルブルー)など、成体に無害な色素で胚を染色し、どの部分が将来どんな組織になるのかを解析し、『原基分布図(げんきぶんぷず)』を作製した。
この方法を局所生体染色法(きょくしょせいたいせんしょくほう)という。
原基分布図についてはnoteに図を載せてある(ただ、学校の資料集にも載っていると思う)。
https://note.com/yaguchihappy/n/n3af8c263652f

●その後の運命を知りたい細胞に色(マーク)を付けて追跡するという手法は、生物学の基本になっている。
●フォークトの局所生体染色法を使った正常発生の研究は、その後のオーガナイザーの研究のための貴重な資料になった。フォークトは、中性赤(ニュートラルレッド)とナイル青(ナイルブルー)を使って、胞胚に局所的な生体染色を施した。そしてその標識が胚の発生に伴ってどのように移動するかをたどっていった。それらの色素標識が占めた位置を、胞胚の表面に逆投写することによって、胞胚における『原基分布図』を作製した。
この原基分布図は、シュペーマンとマンゴルドのオーガナイザーの論文が出てから2年後(Vogt,1926)に発表された。
シュペーマンは、フォークトの原基分布図の完成前に、原口背唇部を移植することで二次胚をつくった(オーガナイザーを発見した)。シュペーマンは、実は、原口背唇部を移植したつもりはなかった。予定神経板領域を移植したと思い込んでいたと自身で語っている。
●生体染色色素を使う一つの問題点は、細胞分裂ごとに色素が別々の細胞に分配していってしまい、見えにくくなってしまうことである。現在では、蛍光色素を使い、何度もの細胞分裂の後でも子孫細胞を追うことができるようになった。
オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質、GFPは有名で、生きたままの組織の中で、特定の遺伝子を発現している細胞を追うことができる。GFPは1962年、下村 脩により発見され、下村先生はその業績で2008年度ノーベル化学賞を受賞した

問題:局所生体染色法に使用する色素はどのようなものを選べばよいか。
答え:ナイル青や中性赤など、無害な色素を用いる。

●局所生体染色には酢酸オルセインなどは使えない。酢酸オルセインは、細胞を殺してしまう(試料は酢酸で固定されてしまいます)。だから、その後、正常に発生を進行させることができなくなる。

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