カエルの発生
カエルの受精卵から孵化までについて説明します。
発生段階
受精卵(表層回転)→桑実胚→胞胚→原腸胚→神経胚→尾芽胚→孵化
まずはこの順番を覚えておくこと。
ここから各段階について、さらに詳しく見ていきます。
1.受精卵〜桑実胚
卵に精子が漂着すると、卵が30度回転し、
灰色三日月環が現れる。
その後卵割を繰り返し、やがて桑実胚(見た目が桑の実に似ていることからそう呼ばれる)になる。
桑実胚のとき、卵内に空洞ができている。これを卵割腔という。
【ポイント】
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カエルの卵は端黄卵で、植物極側に卵黄が偏ってる。卵黄があるところでは卵割が起こりにくいので、卵割は動物極側よりで起こる。
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この時点で、将来のカエルの向きが決まっている。灰色三日月環が後ろ、植物極側が下(お腹)になる。
2.胞胚
桑実胚からさらに細胞分裂を繰り返すと、胞胚になる。このとき、卵割腔は胞胚腔に呼び名が変わる。
3.初期原腸胚
灰色三日月環のあたりから、陥入が起こる。イメージ的には、卵の表面がどんどん中に入り込んでいく感じ。
陥入が始まった時から、初期原腸胚と呼ばれるようになる。
4.後期原腸胚
陥入がどんどん進み、次第に原腸と呼ばれる空洞ができる。これと同時に胞胚腔はだんだん押し潰される。
最終的に、下のような形になる。
この段階を、後期原腸胚と呼ぶ。
この頃の横断面の図を見ると、卵が3つの領域に分かれてるように見える。これを外から順に、外胚葉、中胚葉、内胚葉という。
5.神経胚
ここからは横断面の図で説明する。
後期神経胚は、この後上部が平たくなって、中胚葉の一部が分かれて脊索ができる。
この時期から、神経胚と呼ばれる。 【神経胚期に起こること】
- 脊索が真上の表皮に神経管になるよう働きかける(=誘導)。
この結果、神経管ができる。
- 中胚葉が、体節、腎節、側板に分かれる
5.尾芽胚
神経胚の孵化後尻尾になる部分が伸び始める。この時期から、尾芽胚と呼ばれる。
尾芽胚の時期には、神経胚に分かれていた領域が、体の各器官に分化する。
どの領域から何の器官が分化するのか、下に挙げておくので、覚えておこう!
この後卵は孵化する。
まとめ
カエルの体は、
外・中・内の3段階(原腸胚) ⇒ さらにいくつかに分かれる(神経胚) ⇒ 各器官に分化する(尾芽胚)
というように、始めはざっくり分けられ、だんだん細かく分かれていく、という風に徐々に形成されていくのである。
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