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カエルの発生②(表層回転・原口背唇部など) 高校生物


矢口はっぴー

5分59秒

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説明

【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
カエルの発生(ディシェベルド・表層回転・原口背唇部)について講義します。
語呂「背中に月を背負う(灰色三日月が現れるところが背側になる)」

カエルの発生①はこちら
   • カエルの発生①(全体像) 高校生物  

カエルの発生③はこちら
   • カエルの発生③(神経誘導など) 高校生物  

●表層回転が起きると、精子侵入と反対側に、『灰色三日月環(灰色三日月)』という模様が現れる。
●発生学者はこの灰色三日月環を受精が起きた目印にしている。
●カエルの卵は上から降り注ぐ紫外線を防ぐため、胚の動物極側(上側)が黒くなっている(過去にセンター試験で問われた)。灰色三日月環は、その色素をもった細胞が表層回転で移動するため現れると考えられている。
●ディシェベルド(Disheveled: Dsh)は、未受精卵の植物極側に存在している母性因子である。
*母性因子:卵にあらかじめ入っているmRNAやタンパク質のこと。
●ディシェベルドは、GBP(GSK3-binding protein: 頭文字をとってGBPと呼ばれる)というタンパク質に結合している。そのGBPはキネシンと結合している。キネシンは微小管に結合しているモータータンパク質である。受精後、GBPはディシェベルドを乗せ、微小管のモノレールに沿って移動する。精子進入点の反対側に移動すると、GBPとディシェベルドは微小管から外れ、(βカテニンを破壊するGSK3を不活性化することで)βカテニンを背側に蓄積する。
(なお、覚えなくてよいが、表層回転には、精子の持ち込んだ中心体が関わると考えられている。卵細胞質に進入した精子に由来する中心体から、微小管が卵の細胞膜直下の表層に沿うようにして植物極へ、さらに植物極から精子侵入点の反対側にまで伸びていく。この微小管の伸長に伴って、卵の表層が移動すると考えられている。)
●表層回転を阻害すると正常に発生しない。背側が生じない。
●なお、「卵の表層が回転しているのか」「細胞内部が回転しているのか」、資料によって異なるように思う高校生がいるかもしれないが、「表層回転」と「細胞内部の回転」は相対的な現象であり、本質的な違いはない(相対的な位置の変化である)。表層回転を観察するために、実験では、胚の表層を固定し(そちらの方が簡単である)、内部が動くようにすることが多い。そのため、内部が動くように描かれている表層回転の図もある。

問題:カエルの発生において精子侵入側は①腹側②背側のどちらになるか。
答え:①

問題:表層回転によって背側にあらわれる三日月状の模様(受精の目印になる)をなんというか。
答え:灰色三日月環


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