日々、テレビやSNSではたくさんの記事、そしてニュースが流れてきます。
その裏側では多くの記者が取材し、情報を届けているわけですが、実は筆者もそのうちの一人です。
ただし、筆者は普通の記者ではありません。
毎回、いろんな移動手段を比較して、少しでも安く快適に現場に向かえる移動手段を調べ、ホテル代を節約するために早割やクーポンなどを駆使して、どうにか現場に向かう、大学生記者です。
これは、お金なし・経験なし・人脈なしの19歳の若者が、単身サーキット取材に挑むノンフィクション物語です。
取材は現場に着く前から始まっている?
そんな筆者の取材は、少し変わったところから始まります。
前提として、正直、普通の大学生記者の身としては、使えるお金は決して多くありません。
だからこそ限られた予算の中で「どの現場に行くとより良い記事を書けるか」「良い経験になるか」というのを、過去の取材内容も見ながら、計画を立てていく必要があります。
そして、早い時は2~3ヶ月前、遅くても2週間前には、計画を立て、関係者等に相談した上で取材する現場をピックアップしています。

(筆者がよく足を運ぶのは、水素エンジンなど未来のクルマを鍛えているS耐や市販車などを鍛えているラリーの現場になります)
(それぞれの現場にて筆者が撮影)
ワザをフル活用した移動手段の確保
取材する現場を決めたら、自宅から現場までの移動手段とホテル探しの勝負が始まりますが、特に苦労するのは断然“移動手段の確保”です。
取材する現場は、地方から都内まで様々なのですが、筆者が住んでいるのは四国地方になり、どの現場にしても物理的に遠いそんな地域に住んでいます。そのため“移動費がバカにならない!”
かと言って現場に行くのを諦めるつもりはないので、多種多様な移動手段の比較が必要になるのです。利用する移動手段は様々ですが、筆者がよく使うのは、飛行機と夜行バスになります。
夜行バスに関しては“安い”イメージがあると思うので、割愛しますが、節約と対極に見えるのが飛行機だと思いますが、どうして飛行機を使っているのでしょうか。
まず、筆者が住んでいる地域はLCCがほとんど就航していないので必然的にANAかJALになります。ただ普通に予約すると“高すぎ”てとても予約できる価格ではありません。なので筆者が使うのがセールや早割、そして19歳という若さを生かした方法です。
ANAやJALは数ヶ月前からの予約やセールの使用で、四国-東京間を8000円前後で購入することができるので、まずはそのセールでの購入を目指します。しかし、セールがなかったり、現場での取材が1ヶ月以内に迫っている場合はその方法は使えません。そこで選択肢になるのがANAやJALが実施している“スカイメイト”及び“スマートU25”になります。
このサービスを簡単に説明すると、搭乗したい便に空席があった場合、当日の0時から、25歳以下であれば、破格の価格で予約できるサービスです。具体的な価格は路線によって異なりますが、大体セールより少し安い程度の価格で利用が可能で、筆者にとっての救世主と言っても過言では無いのかもしれません(笑)。
また、四国から静岡県の東の端に位置する、富士スピードウェイに取材に行く場合、新幹線やバスを使用するよりも、飛行機で一度、東京・羽田に飛び、そこからバスなどで折り返した方が安くて速いこともあり、「安く行きたいから必ず〇〇だ!」って考えを捨て、柔軟に比較検討する必要があるのです!

(あとは、安さだけを優先して、到着前に体力を使い切っては意味が無いので、そういったところも考えながらになります)
(取材に向かう道中に筆者が撮影)
とは言えあまり苦ではない?その真意とは
こう見ると「取材に行くのも大変なんだな」そう思われるかもしれませんが、筆者の場合は苦に感じたことはありません。
なぜなら、筆者は、クルマ、トヨタ、モリゾウさん※が大好きで、自動車産業の現場を取材しています。そして取材して得た自動車産業の魅力や情報を皆さんに伝え、共感していただき、例えそれが一人だったとしても、自動車産業を応援してくれる仲間が増えれば、それは自動車産業そして日本の未来を創ることに繋がると感じているからです。
もちろん、金銭的に苦しいことは多々ありますが、トヨタ工業学園での経験、そしてトヨタを去った経験と比べると、今こうして色んな方が、サポートしてくれている現状は、あまり苦ではないと思っています。
※トヨタ自動車豊田章男会長のレース出場時の名前

(右:取材に向かう筆者)
(撮影 トヨタ自動車広報部)
取材で一番難しいのは「ただ聞くだけではない」こと
取材をする上で、ある意味で一番難しいと筆者が感じているのは「ただ聞くだけではない」ということです。
筆者はトヨタの現場をメインに取材していますが、関係者やエンジニアさんは、いろんな話をしてくれます。それ自体は本当にありがたいことです。しかし、方向性をあまり考えずに、多方面に質問をしてしまうと、記事の執筆時に「あれ、これ記事に入れられないじゃん」「単品では使いづらい内容だった…」と後々、困ったことがありました。
せっかく、限られた貴重な時間を使って話してくださったのにこれは“本当にもったいない!”
筆者の中でそう感じたからこそ、それ以降は「エンジニアさんにはこれを聞く」「この部分をもう少し深掘りする」「記事の方向性に合う情報を軸に質問する」などある程度、方向性を定めて取材するように心がけています。
仮に学校生活に当てはめるなら、国語のわからない点を質問をしに職員室へ行ったのに、途中から数学や社会の話に脱線して「本当に聞きたかったこと」を聞けなかった経験がある方もいると思うのですが、それに近い感覚だと思います。
(聞くべきことを正確に聞くこと、それが簡単に見えて意外に難しい点でもあります)
(スーパー耐久岡山大会にて筆者が撮影)
記者会見はやっぱり緊張する?
取材時に筆者が最も緊張してしまうのが記者会見になります。取材の数を踏むうちに、普段の個別取材や囲み取材などでは極端に緊張することは減ってきました。
しかし、記者会見となると話は別です。
大きな会場に多くのメディアの方が並び、それぞれが鋭い質問をして、登壇者がその質問に答えていく、そのような場面では、会場全体の空気が一気に張りつめて、普段の囲みなどとはまったく違う緊張感があります。
そして筆者はまだ経験が浅く、どうしてもこの雰囲気に飲まれてしまい、質問のタイミングを伺っているだけで緊張してしまいます。
ただ、ベテランのメディアの方の様子を見ていると、あまり緊張しているようには見えないので、筆者も早く緊張せずに記者会見で質問等が出来るようになりたいと思っています!
(記者会見で質問に答えるGRカンパニー高橋智也プレジデント。テレビなんかでよく見る会見なんかがそれに当たると思います。)
(スーパー耐久オートポリス大会にて筆者が撮影)
安全に取材をするための心がけ
現場でのルールを守るということも筆者は強く意識しています。
筆者が強く意識するきっかけとなったのは、初めてメディアとして現場に入った、2024年のスーパー耐久富士24時間レースでの出来事です。
まず前提としてモータースポーツの現場などでは、安全のため一般のお客様が入れる区域が制限されています。ただしメディアであればコースサイドと呼ばれる制限区域の中から取材することが出来ることがあります。
ただ、どうしてもクルマを撮りやすい撮影スポットは別のメディアさんがいることが多いのですが、そんな中、レーススタート時の1コーナー付近がガラ空きなことに気づき、当時の筆者は、「誰もいないじゃん、ラッキー」くらいの気持ちで、その位置から撮影していました。
ところがその後、たまたま居合わせたカメラマンの方に声をかけられ、「君、スタート時あそこにいた人だよね? ルールは守らないとダメだよ」と声を掛けていただきました。
しかし、筆者としてはルールに違反した自覚はなく、そのカメラマンと一緒にルールを確認したところ、結果的には問題ありませんでした。これは後日談ですが、例年は安全面の観点から“スタート時〜数周は1コーナー付近での撮影を制限する”のが通例だったそうです。
そして、そのようなことを初めての現場で経験できたことは、間違いなく、その後の現場取材に生きています。
現場に入る前に書類などで、ルールを確認するのはもちろんですが、現場にて「ここで撮りたいけど、少し危険な気がする」「ここは制限されている場所かもしれない」と感じたときには、一度立ち止まり、必ず書類や関係者への確認などでルールを再確認し、ルールに反していないかを自分なり確かめてから撮影する重要性を学べたからです。
(当時、撮影した水素エンジン車両)
(S耐富士24h2024にて筆者が撮影)
取材の仕方:メモから録音へ
では、取材するときの“記録方法”はどうなのでしょうか。
元々、筆者は話を遮ってスマートフォンのメモアプリでメモをしていることが多かったのですが、やはりそれだと時間ももったいないですし、聞き逃したり、ファクトを残せないことがありました。そこで尊敬するメディアの先生方や、エンジニアさんからアドバイスをいただき、最近は録音アプリを使って録音するようにしています。
録音しておくことで、とりあえず喋ってもらい、後からAIなどを活用し文字起こしをさせれば、そのまま記事に使えることが多く、効率がとても良くなりました。また「本当にこう言っていたかな?」という部分も録音に残っているため、確認もしやすく、録音の便利さを強く実感しています!
写真撮影の難しさと楽しさ
また、記事などで使用する写真の撮影も難しいところになります。基本的に筆者はiPhoneで撮影をしており、コースサイドに行って、綺麗に撮れるスポットを探しながら、とにかくたくさん撮る、そういったスタイルです。
iPhoneでも望遠レンズを搭載している機種を使用しているため、少し離れた場所からでも撮影は可能ですが、クルマに近いスポットで撮影するに越したことはありません。ですので綺麗に撮れるスポットにプラスしてクルマとの距離が近いスポットを探す必要があります。
コースサイドをたくさん歩くので身体的には大変ではありますが、同時にクルマを近くで見て挙動などを取材することも出来るので、個人的にはトップレベルに楽しいポイントでもあります!
(コースサイドから撮影したモリゾウさんが運転するトヨタの新型車両。コースサイドからの取材だからこそ学べる情報もたくさんあります)
(スーパー耐久岡山大会にて筆者が撮影)
憧れの人を取材できるという喜び
取材を通して“憧れの人に取材ができる”という点も個人的には良い点だと感じています。
筆者の場合、トヨタ自動車会長の豊田章男さん(モリゾウさん)を尊敬していますし、憧れの一人です。メディアという立場で会話をさせていただいたのは1回、2回程度ですが、それでも取材できるというのは、本当に嬉しく、感慨深いものです。
実際に筆者は今年7月、モータースポーツの現場でモリゾウさんに“ぶら下がり取材”をさせていただきました。そのとき、モリゾウさんは快く、筆者に笑顔で丁寧に分かりやすく、お話ししてくれました。また、忙しい中にも関わらず録音終了後、“愛”と“ユーモア”溢れる言葉を掛けてくれて本当に嬉しかったです。
そしてその経験は筆者の中に強く残っていますし、モリゾウさんが語ってくれた想いを早く皆さんにお届けしたいと思っています。
(7月に筆者がモリゾウさんに取材した時の様子。快く取材に応じてくれて嬉しかったです)
(撮影 トヨタ自動車広報部)
記事を書いて終わりではない?
筆者の場合、取材の上で執筆した記事に関しては、基本的に先方に確認をお願いし、ファクトの確認や画像などの権利関係を確認していただくようにしています。
なぜなら誤った認識、誤った解釈で真意と異なる情報を出しては、読者や関係者など沢山の人に迷惑を掛けてしまうからです。
実際、現場で取材した記事で、筆者の認識違いにて真実と異なる原稿を執筆してしまった経験もあります(その原稿は修正の上、無事に公開されています)。
また先日、元テレビ朝日で報道ステーションを担当し、現在トヨタイムズのメインキャスターをしている富川悠太さんからも「間違った情報をお届けしない為にも、双方への事実確認は、大切なこと」だとアドバイスを頂きました。このアドバイスはライターそしてジャーナリストとして大きな学びでしたので、今後も大切にしていきたいと思っています。
ライターとして鍛えられる
以上が筆者の取材体験記です。いかがでしたでしょうか?
筆者は日々このような活動を通して記事を執筆しています。そして取材や記事の執筆の中で、沢山の人のお陰で、ライターとしてジャーナリストとして鍛えて頂いています。
ライターとしてまだまだだとは思いますが、初期の頃に比べると少しは良い記事を執筆できるようになってきたんじゃないかなと思っています…と言って自分を鼓舞してます!
今後も、ライターとして、ジャーナリストとして鍛えられ、“もっといい記事”を執筆できるように頑張っていきます。
また、okkeに書いている他、いつか自動車メディアでも記事を載せて頂けるように奮闘中です。
最後までありがとうございました。









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