文学史コレを押さえろ!「物語」篇
文学史コレを押さえろ!
ここでは、中古・中世の物語文学の文学史に関して、受験で最低限知っておかないといけない知識をまとめるので、もし受験で必要な人はぜひ活用を!
「物語」とは、仮名散文による虚構の創作文学のことを言う。
文学史では、皆さんが思う、フィクションの話という理解だけでは解けない問題もあるんだ!
《ビジュアル理解》
まずはビジュアルでの全体像は以下の通り。
文学史で速攻のポイント
文学史で押さえておくべきポイントは下の3つ。
- ジャンルは何か
- 時代や成立順はどうなっているか
- 作者は誰なのか
中古・中世の物語文学について、それぞれのポイントを確認していこう。
ジャンルについて
物語文学のジャンルは以下の通り。
①作り物語
→仮名で書かれた虚構を含む創作物語のこと。
(②の歌物語に対応する形)
②歌物語
→和歌が核となって、物語風に書かれた作品。
(①の作り物語に対応する形)
③物語の完成形?(名前はなし)
→①と②が合わさった、物語の集大成で、『源氏物語』を指す。
④歴史物語
→漢文ではなく仮名で歴史を物語風に描いたもの。
⑤後期物語
→『源氏物語』ののちに作られた物語。
⑥擬古物語
→南北・室町時代に成立した物語のこと。
時代・成立順について
それぞれのジャンル①〜⑥に対して、時代や成立順に例を挙げると以下の通り。(上のビジュアルでも確認しよう!)
ここに書いてある順番が全て覚えられたら完璧だけど、みんなは上のビジュアル理解の画像を暗記しよう!
ビジュアルで理解していると同時代成立などが頭の中で整理されるよ。
①作り物語
→『竹取物語』・『うつほ物語』・『落窪物語』
②歌物語
→『伊勢物語』・『大和物語』・『平中物語』
③物語の完成形?(名前はなし)
→『源氏物語』
④歴史物語
→『栄花物語』・『大鏡』・『今鏡』・『水鏡』・『増鏡』
⑤後期物語
→『浜松中納言物語』・『夜の寝覚』・『狭衣物語』・『とりかえばや物語』・『堤中納言物語』
⑥擬古物語
→『わが身にたどる姫君』・『松浦宮物語』・『住吉物語』
作者について
上の具体的な作品に対して、覚えておくべき作者は以下の通り。
①作り物語
→作者は基本不明
【補足】
- 『竹取物語』:現存最古の物語
- 『うつほ物語』:現存最古の長編物語
- 『落窪物語』:継母いじめ物語
②歌物語
→作者は基本不明
【補足】
- 『伊勢物語』:在原業平が主人公なのではと言われている
③物語の完成形?(名前はなし)
- 『源氏物語』:紫式部作、54帖
④歴史物語
→作者は基本不明
【補足】
- 『栄花物語』:藤原道長を賞賛
- 『大鏡』:藤原道長を批判
⑤後期物語
→特に覚えておく作者はいないよ
【補足】
- 『堤中納言物語』:短編集である
⑥擬古物語
→特に覚えておく作者はいないよ
【補足】
- 『住吉物語』:継母いじめ物語
詳細リンク
それぞれの和歌集の詳細は、以下のリンク先で確認しよう。