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日本文学史マスターへの道⑬『大和物語』


日本文学史マスターへの道

『大和物語』

460pxYamato_monogatari__Ogata_Gekko_serie_5.jpg 〔大和物語(尾形月耕画)〕

『伊勢物語』は何物語でしたか〜?

“歌”物語です。

その系譜を引くのがこの『大和物語』

読んでみよう、調べてみようとは言いません。

学校で習う段だけでも十分かもしれません。

ただ、文学史上は外せない作品ですよ。

日本人なら知っておきたい文学作品!平安時代を代表する歌物語『大和物語』 なんてサイトを貼っておきますね。

興味があればぜひ!

筆者は、必死に和歌や歌物語を調査しています!

何か面白いことがあれば追記します!(笑)

《確認ポイント》

✔︎『伊勢物語』との対比

《書名》

『大和物語』

  • 『伊勢物語』に対してこのような呼び名になった説

  • 唐(中国)に対して大和(日本)の物語を集めた本という説

いろいろな説が言われている。

《作者》

未詳

いろいろな人物であろうかという説があり、

花山天皇・在原滋春・清原元輔などなど

他には、宇多天皇に仕えた女房達説まで、

果たしてどうなのか、、

《成立過程》

天暦5(951)年頃に原型ができ、増補されたと考えられている。

《表現》

簡潔で余情豊かな『伊勢物語』に対して、

何度も同じ表現が繰り返され、冗漫な印象がある。

  • 係助詞「なむ」が多用されており、

  • 実際の歌語り享受の場を想起させるため、

  • 口承文芸の本質を表す文章である。

◎歌語り

  • 和歌が詠まれた状況や作者のエピソードを口頭で語り伝えるもの

  • 口承文芸に近い

《構成》

173段からなる歌物語で、295首の和歌が含まれる。

歌語りが集められ記録されたとされる。

『伊勢物語』は在原業平の一代記の体裁を取っていたが、

『大和物語』は天皇・貴族・僧・女性など多くの人物が、また実在した人物が登場しており、主人公を特定しない

内容は前後半に分けることができる。

前半(第1段〜142段)

宇多天皇周辺の人物中心の話

→恋・別れ・世の辛さなどの人生を嘆くものが多い

⇒登場人物は権力から疎外された風流を愛する人々

後半(第143段〜173段)

民間伝承されてきた説話的な話

→しみじみと心を打つ人間の純粋な愛情を描く

EX.生田川伝説・采女入水伝説・安積山伝説・竜田山伝説

*六歌仙時代の和歌にまつわる説話も多い。

《史的意義》

和歌に対する関心から、歌の読まれた状況・作者を語るという歌語りの本来的な姿を伝える作品である。

様々な逸話が語られるが、『後撰和歌集』時代の実在人物であるため、当時の貴族社会の噂や実態を知る貴重な資料。

後半の説話的部分は、中世以降の説話集や脳の材料にもなった。

ただし、『伊勢物語』に比べると叙情性で劣ってしまう。

《「大和物語」第1段》

亭子の帝、今はおりゐさせ給ひなむとするころ、

弘徽殿の壁に、伊勢の御の書きつけける、

別るれど あひもをしまぬ ももしきを
見ざらむことの なにか悲しき

とありければ、帝御覧じて、そのかたはらに書きつけさせたまうける。

身一つに あらぬばかりを おしなべて
行きめぐりても などか見ざらむ

となむありける。

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