Follow Us!!:

アプリなら、たくさんの便利な機能が無料で使える!
今すぐアプリをダウンロードして、もっと自由に学ぼう!

履歴の確認
お気に入り・フォローの登録
通知の受け取り
ファイルの作成・追加・複製
メモの作成・確認
モチベボードの投稿
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
運営会社お問い合わせ利用規約プライバシーポリシー

© 2025, okke, Inc.

オーストラリアのエネルギー

電源構成

火力偏重

オーストラリアは、電力の発電方法がかなり特徴的。

南太平洋で核実験が繰り返された歴史からオセアニア全域で反核感情が強く、原子力発電の利用にも慎重。

石炭や天然ガスが国内で生産でき、安く調達できることもあり、オーストラリアは石炭・天然ガス火力が中心の電源構成となっていた。

sオーストラリアの電源構成(2014).jpg (Australian Bureau of Statistics, 4660.0 - Energy Use, Electricity Generation and Environmental Managementをもとに筆者作成)

近年の変化

ところが、2022年の政権交代以降、政府は再生可能エネルギーへの大転換を宣言。

  • 2030年までに再エネ比率82%
  • 2040年までに石炭火力発電閉鎖

を掲げ、脱炭素路線を強力に打ち出した。

これにより、ここ数年で風力、太陽光の比率が急上昇している。

また、降水量の多いタスマニア島では水力発電の開発が急速に進んでいる。

これに対し、野党からは原子力発電の解禁論も浮上するなど、今後のエネルギー政策の見通しは不透明になっている。

今後も再エネの発電比率が急速に高まっていくことが予想される。注目したい。

s画像1.jpg (AEMO 2024 Integrated System Plan、日本語は筆者追加)

補足~エネルギー政策転換の背景

これまで、オーストラリアでは原子力発電が行われてこなかったと説明しました。

オーストラリアでは原発に対する反発が強く、法律で原発が禁止されているほどなのですが、実はこの理由は、先程解説したような単純な理由だけではありません。

オーストラリアの政治の項で説明したとおり、オーストラリアは自由党と労働党の二大政党制なのですが、自由党の有力な支持基盤のひとつに石炭業界があります。

石炭業界は石炭を使ってほしいので、石炭火力推進派なわけです。原発が増えるとその分石炭火力が減りますから、石炭火力を脅かす原子力発電は商売敵なわけで、石炭業界を守るために原子力発電に反対してきたとも言われています、

石炭火力は安価な発電方法ですから、安価にエネルギーが供給できるということで国益にもかないますし、これまで特に問題にはなってきませんでした。

ところが、近年の脱炭素の流れを受け、2022年に発足した労働党のアルバニージー政権が政策を急転換。再エネ中心の電源構成へのシフトを打ち出しました。

これは、2030年までに再エネ発電比率82%、2040年までの全石炭火力発電所の閉鎖を目指すもので、それまでのエネルギー政策とはまさに180度の大転換が起こったといえます。

政策の急転換に伴い、オーストラリアのエネルギー価格は上昇を続けています。これは、新たな発電・送電・蓄電インフラの整備に多額のコストがかかっていること、

労働党政権としてはオーストラリアでの再エネ発電は石炭火力よりもコストが安いとしており、政策の基本方針を維持する意向を示しています。

これに対し、自由党の立場にも変化が生じています。

自由党は、供給が不安定な再エネへの急転換を疑問視。電力の安定供給を重視し、これまで反対してきた原子力発電を推進する立場に転換しました。

タグ

関連動画

20:49
052 電力 地理の羅針盤第05話Historia Mundi
22:43
【高校地理】 オセアニア4 オーストラリアの経済2 (23分)映像授業 Try IT(トライイット)
20:05
143 ヨーロッパの鉱工業① 地理の羅針盤第16話Historia Mundi
36:40
170 アメリカ南部 地理の羅針盤第18話Historia Mundi
35:24
172 カナダ・メキシコ🇨🇦🇲🇽 地理の羅針盤第18話Historia Mundi

関連用語

エネルギー
ニュージーランドの鉱工業・エネルギー
中国のエネルギー
再生可能エネルギー
電力(地理)