共通テストでは「思考力問題」が重要視されていますが、今までのセンター試験でも多くの思考力問題が出題されてきました。ここでは過去の古いセンター試験の問題から、私が思考力問題を選んで解説していきたいと思います!
※今回の06の問題は理系よりの問題です。
※「閾値」という言葉をチェックしておいて下さい。
閾値・・「興奮が起こる最小限の刺激の強さ」です。
「閾値が高くなる→反応が起こりにくい。」
「閾値が低くなる→反応が起こりやすい」
閾値と反応の起こりやすさは逆になっているので要注意です!!
問題pdfはこちら↓
https://drive.google.com/file/d/14GWGrAl-fzCdz_G7Uu6_iE9wXQi3aRYB/view?usp=sharing
問題文はこちら↓(図や表はPDFや動画で確認して下さい)
B
視覚は動物の行動に重要な役割を担っている。昆虫では,複眼の視細胞で受容された光刺激が,脳のニューロンの興奮を経て,行動を引き起こす。視細胞からの信号を伝える脳のニューロンでは,反応の大きさがしばしば昼夜で異なり,光の少ない夜間には弱い光でも興奮するように調節されている。コオロギの脳にある,視細胞からの刺激を伝えるニューロンXの反応について調べた。図1は,暗黒中で複眼に異なる強さの光刺激を400ミリ秒間与え,このニューロンXに生じる反応をオシロスコープで記録したものである。さらに,いろいろな強さの光刺激を400ミリ秒間与え,そのとき生じる活動電位の発生回数を調べたところ,図2のような結果が得られた。
次に,ニューロンXの昼夜の反応の違いを引き起こすしくみを調べるために,昆虫の脳内に存在する化学物質Yをコオロギの脳に作用させた。その結果,夜に作用させると光刺激によって生じるニューロンXの反応が低下し図2の昼の反応に近くなったが,昼に作用させてもニューロンXの反応はほとんど変化しなかった。また,この化学物質Yの作用を阻害する化学物質Zをコオロギの脳に作用させたところ,昼には光刺激によって生じるニューロンXの反応が上昇し,図2の夜の反応に近くなることがわかった。夜には,化学物質Zを作用させてもニューロンXの反応の強さはほとんど変わらなかった。
問4 図1の結果から考えられる,光刺激に対するニューロンXの反応に関する記述として最も適当なものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。 4
① 光刺激の強さに応じて静止電位が大きくなる。
② 光刺激が強くなると反応の閾(いき)値(ち)が上昇する。
③ 光刺激が強くなると反応の潜伏期が短くなる。
④ 光刺激中の活動電位の発生頻度は一定である。
⑤ 光刺激をやめても,100ミリ秒以上反応が続く。
問5 図2の結果から考えられる,光刺激に対するニューロンXの反応に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。 5
① 光刺激の強さが10^2から10^6の範囲では,同じ光刺激の強さにおいて,ニューロンXの昼の反応の大きさと夜の反応の大きさの比は常に一定である。
② ニューロンXの閾値は夜に比べ昼に低下している。
③ 10^4の光刺激の強さでは,ニューロンXの昼の反応は夜の反応の約60%である。
④ 昼に400ミリ秒当たり30回の活動電位を引き起こす光刺激の強さは,夜の約1000倍である。
問6 化学物質Yや化学物質Zを作用させた結果から考えられる,化学物質Yに関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。 6
① 化学物質Yは夜に分泌され,光刺激に対するニューロンXの反応を増強する。
② 化学物質Yは夜に分泌され,ニューロンXの閾値を上昇させる。
③ 化学物質Yは昼に分泌され,光刺激に対するニューロンXの反応を低下させる。
④ 化学物質Yは昼に分泌され,ニューロンXの閾値を低下させる。