共通テスト対策10回目です!!
共通テストでは「思考力問題」が重要視されていますが、今までのセンター試験でも多くの思考力問題が出題されてきました。ここでは過去の古いセンター試験の問題から、私が思考力問題を選んで解説していきたいと思います!
問題pdfはこちら↓
https://drive.google.com/file/d/1Xy9iftCFcNdMGz1nD87dSW__FXcuGvj6/view?usp=sharing
B
ウニの発生において,胚(はい)の孵(ふ)化(か),原腸の形成,細胞の分化に海水中のカルシウムイオンや硫酸イオンがどのように関与しているかを調べるために,以下の実験1~3を行った。
実験1 海水中,またはカルシウムイオンを含まない人工海水中でウニ受精卵を発生させたところ,以下の結果を得た。
(1) 海水中で発生した孵化期の胚の細胞数と,カルシウムイオンを含まない人工海水中で発生した同じ時期の胚の細胞数は,ほとんど同じであった。
(2) カルシウムイオンを含まない人工海水中で発生した胚は,割球の接着が弱くなり,胚として細胞のまとまりがなくなった。
実験2 ウニ原腸胚の原腸の細胞に,発生に影響を与えない色素を取り込ませた後,その胚を海水と等張のスクロース(ショ糖)溶液に入れたところ,胚は,まもなく1個1個の細胞に解離した。さらに,解離したすべての細胞を集め海水中に戻したところ,以下の結果を得た。
(1) 細胞塊が形成され,やがて,ほぼ正常な胚になった。
(2) 色素を取り込んだ細胞は原腸に位置していた。
実験3 硫酸イオンを含まない人工海水中でウニ胚を発生させたところ,以下の結果を得た。
(1) 胞胚になるために必要とした時間,細胞数および形は,海水中で発生させた胚と同じであった。
(2) 骨片を形成する細胞は胞(ほう)胚(はい)腔(こう)(卵割腔)に現れたが,骨片を形成しなかった。
(3) 胚は孵化し遊泳したが,原腸を形成しなかった。
問5 実験1と実験2の結果から考えられることとして適当なものを,次の①~⑧のうちから二つ選べ。ただし,解答の順序は問わない。 5 6
① カルシウムイオンは卵割を速める。
② カルシウムイオンを含まない人工海水中で発生した胚の細胞の大きさは,海水中で発生した胚のそれより小さい。
③ 胚の割球の接着が弱くなったのは,細胞の表面積が小さくなったことによる。
④ 胚の細胞をまとめるためにカルシウムイオンを必要とする。
⑤ 胚はスクロース溶液の浸透圧によって1個1個の細胞に解離する。
⑥ 解離した細胞がもとの位置に戻る能力は,スクロース処理により失われる。
⑦ 一度解離した細胞集団が再び原腸胚になるためには,カルシウムイオンを必要としない。
⑧ 原腸胚期の細胞の少なくとも一部は,その細胞の位置が乱されても,もとの部位に戻る仕組みをもっている。
問6 実験3の結果から考えられることとして適当なものを,次の①~⑥のうちから二つ選べ。ただし,解答の順序は問わない。 7 8
① 硫酸イオンは卵割を速める。
② 骨片を形成する細胞が胞胚腔に現れるためには硫酸イオンが必要である。
③ 硫酸イオンがなくても中胚葉になる細胞は胚内へ遊離する。
④ 胚が受精膜の外に出るためには硫酸イオンが必要である。
⑤ 内胚葉が形成されるためには硫酸イオンが必要である。
⑥ 胚の繊毛運動には硫酸イオンが必要である。