バイトが知っておくべき労働基準法
皆さん、こんにちは。
新年度が始まり、人生で初めてアルバイトを経験する方も多いのではないでしょうか?
そして働く上で何よりも大切なのになるのが労働基準法です。
労働基準法とは、働く人の権利を守り、公正な報酬を得て安全に働くためのルールを定めた法律です。
しかし、日本では正社員やアルバイトにかかわらず、労働基準法を無視するような企業が残念ながら存在しています。
今回は、アルバイトをする上で特に知っておくべき労働基準法のポイントを5つ紹介します。
①解雇予告なしの「即日クビ」は原則違法
皆さんアルバイトをする上で「今日でクビね」と言われたらどうしますか?
おそらく多くの方は納得はいかなくても「わかりました」と従ってしまうと思います。
しかし実は、即日クビは違法なのです!
雇用主が労働者を解雇する場合、労働基準法第20条にて最低でも30日前までに解雇予告もしくは30日分の平均賃金を支払う解雇予告手当として支払わなければならないと定められています。
ただ実際には解雇予告も解雇予告手当もなく突然解雇されることは珍しくないのです。
そのため、もし解雇予告や解雇予告手当がない状態でクビにされた場合は速やかに最寄りの労働基準監督署に相談しましょう。
なお、懲戒解雇に該当する場合は即日解雇でも違法になりません。
②アルバイトにも有給休暇がある!
次に紹介するのは有給こと有給休暇です。
皆さん「アルバイトだから有給なんてない」と思っていませんか?
しかし実は労働基準法第39条により、アルバイトでも有給休暇が発生するのです!
具体的にはこの2つの基準を満たしていればアルバイトでも有給休暇が発生します。
- 雇用開始から6ヶ月継続して勤務していること
- その間に全労働日の8割以上出勤していること※全労働日とはシフトなどで本来出勤する予定だった日のことを指します。
これらを満たせば、勤務日数に応じて年に1〜10日程度の有給休暇が発生します。たとえ週1回の勤務でも最低1日は有給が付与されます!
また、有給休暇の取得に理由は必要ありません。取得理由を問われても「私用です」と伝えればOK!
原則として使用者が有給休暇の取得を却下することはできません。※時季変更権を会社側が行使した場合は別。
そのため、もし有給休暇の取得を拒否された場合は速やかに最寄りの労働基準監督署に相談しましょう。
③「代わりを探せ」は従う必要なし!
皆さんアルバイトを休みたい時や辞める時に「休む(辞める)のはいいけど自力で代わりの人を探してね」と言われたらどうしますか?
おそらくほとんどの方が真面目に代わりの人を探してしまうと思います。
実際「休む(辞める)なら代わりを探せ」ってのはよくあることですが、実は労働者(アルバイト)が代わりを探す義務はありません!
シフト管理はあくまで雇用主の責任です。
労働者が「休み(辞め)ます」と伝えれば、それに対して代わりを探すのが雇用主の仕事です。
④着替え時間も給与が出る可能性!?
皆さん勤務開始前に「制服などに着替えておいて」と言われた場合、その時間に給与がつく事を知っていますか?
なぜなら労働基準法では「指揮命令下に置かれた時間」を労働時間と解釈されるからです。
そして勤務時間前に「制服などに着替えておいて」という発言は働くための指揮命令に当たるため着替える時間も給与が発生するのです。
ただし着替え時間が労働時間とならない場合もあります。
ポイントは、「指示された服の着用」と「その時間までに着替えておくように言われているかどうか」です。
これに当てはまる場合、着替える時間も給与が発生します。
逆に、服装が自由で、着替えの義務がない場合は、着替えの時間は労働時間に含まれません。
着替え時間が給与に含まれているか分からない場合は給与明細などで、確認することをおすすめします。
⑤タイムカードの切り捨ても違法
労働基準法第24条により雇用形態に関わらず働く際には1分単位の勤怠管理(タイムカード)が義務付けられています。
しかし実際には15分単位や30分単位で打刻するタイムカードを使っている職場が少なくありません。
例えば、18時14分まで働いたのに、18時で打ち切られるような勤怠管理の場合は違法です。
これは、労働時間の切り捨てとなり、労働基準法違反となります。
ただし、「18時1分に退勤しても、18時15分まで働いたとみなす」ような労働者が有利になる処理は違法ではありません。
もし1分単位で賃金が払われていない場合は速やかに最寄りの労働基準監督署に相談しましょう。
まとめ:困ったときは労働基準監督署へ
アルバイトに関わらずに働く上で自分たちが不利になる労働基準法違反があった場合には、遠慮なく労働基準監督署に相談するようにしましょう!
証拠を集めて相談をすれば、調査や是正指導が行われます。※私の経験では、直の雇用主が大企業の場合、労基署がすぐに動いてくれないこともあります。
また「通報をしたらクビになるのでは?」と心配かもしれませんが、通報を理由に解雇や減給などの不利益を受ける扱いは労働基準法第104条違反となります。
もしそれでクビにされたなら、速やかに労働基準監督署に相談してください。
皆さんがアルバイトを始めて「これって労働基準法違反じゃない?」と感じたらこの記事を思い出して適切な対応をしてくれると嬉しいです。
最後までありがとうございました。