みなさんが学校で一度は耳にしたことがある音。そう、「キーンコーンカーンコーン」というチャイムの音。
小学校から高校まで、幅広い学校でチャイムと言えばこの音が使われていると思います。
ところでこのチャイムの音、しっかりとした由来があることをご存じでしょうか?
今回は、この学校チャイムの音の由来と、その背景にある意外な事実についてご紹介します!
チャイムのルーツはイギリス・ロンドン?
まずは、私たちの耳に馴染みのある“あのチャイムの音”の由来について紹介します。
日本の学校でおなじみの「キーンコーンカーンコーン」というチャイム音は、実はイギリス・ロンドンの旧ウェストミンスター宮殿(現在のエリザベスタワー)に設置された大時計「ビッグベン」で鳴らされている鐘の音」がルーツとされています。
さらにその起源をたどると、1793年イギリスのケンブリッジ大学構内にある「グレート・セント・メアリー教会」で用いられていた鐘のメロディーが原型になったそうです。
つまり、このチャイムはイギリス由来の音なのです。
作曲者については諸説があり、「ヘンデル説」や「ウィリアム・クロッチ作曲説」などが挙げられますが、現在のところ確定していません。
このチャイムはその後、イギリスの国会議事堂にも導入され、世界中で「時刻を知らせる音」として親しまれていくことになります。
「4つのフレーズ」のうち、日本では15分の音を採用
このウェストミンスター・チャイムは、毎時0分・15分・30分・45分に異なる4つのメロディーフレーズが鳴り分けられています。
そして日本の学校で使われている「キーンコーンカーンコーン」は、そのうち15分のタイミングで鳴るフレーズが、日本の学校チャイムとして使われています。
戦後の日本でなぜ普及した?
では日本ではいつからこのチャイムの音が普及したのでしょうか?
実は最初からこの音だった訳ではありません。
戦後すぐの日本では、学校のチャイムといえば「ジジジジジ……」といったブザー音が一般的でした。
しかし、戦争体験世代にとってこの音は空襲警報を思い出させるものでもあり、心理的負担を感じる人も少なくありませんでした。
そのため、「もっと心地よく時間を知らせる音がないか」と模索が始まり、結果的にイギリス由来の「キーンコーンカーンコーン」に全国的に統一されていったのです。
ノーチャイム制とは?
時代が変わり、現在では「チャイムを鳴らさない」学校も増えています。
その理由のひとつが、「自主性がない人間を育ててしまうのではないか」という教育的な懸念。
そのため、あえてチャイムを使わず、生徒自身が時計を見て自主的に行動する「ノーチャイム制」を導入し、時間意識を育てようという動きが広がっています。
最後に
このように、日常的に聞こえてくるチャイムの音にも、実は深い由来と歴史があります。
普段何気なく耳にしているモノや習慣にも、よく調べてみると「意外な由来」があるかもしれません。
ぜひ、皆さんの身の回りにある「当たり前の由来」にも興味を持ってほしいなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。









