OPEC
簡単なまとめ
石油輸出国機構のことで、発展途上国の石油輸出国で構成される石油カルテル。
主に、原油生産量の調整を通じた国際石油市場への影響力確保を目的に活動している。
OPEC
OPEC、石油輸出国機構。名前の通り、石油を輸出している発展途上国の国々が集まっている国際石油カルテルです。
OPECの主な仕事・目的は、
- 原油生産量の管理
- それを通じた国際原油価格の管理
- 生産量・価格変動の調整による政治的影響力の確保
歴史
欧米による支配(19世紀~1960年代)
OPECが結成された1960年当時、国際石油市場は欧米先進国のメジャーに支配されていた。
発展途上国の産油国(特に中東)には、油田こそあれ、産出量も価格も自分で決めることはできず、いわばメジャーの言いなりになっていた。
これに第二次大戦後の資源ナショナリズムの高まりも相まって、
「石油は産油国のもの、石油のことは産油国が決める」
という風潮が生まれた。
これを背景に行われたのが油田の国有化やOPECの結成だった。
OPECの結成(1960年)
- イラン
- イラク
- クウェート
- サウジアラビア
- ベネズエラ
の五か国を原加盟国として、1960年にOPECが発足した。
その後もOPECは加盟国を増やして影響力を高め、1970年代には石油の価格決定権をメジャーから奪うことに成功している。
OPECの影響力低下(1970年代~)
二度の石油危機を通じ、世界的にOPECによる石油支配に対抗する動きが生まれた。
- 先進国がIEAを結成、省エネ・代替エネルギーへの転換を進める
- 原油価格高騰による新規油田開発の増加
などが挙げられる。
特に近年はシェールオイルの開発が盛んになった影響で米露の増産が顕著となったため、価格決定力はいっそう低下している。
価格決定力を維持するためにロシアなど非加盟国を加えたOPEC+と呼ばれる枠組みが作られている。
加盟国
OPECは石油輸出国機構の看板通り、石油を輸出している国しか加盟していない。
石油は偏在性が高く、また産業の発展している国は石油の輸出余力がないことが多いため、石油を輸出している国の数は少ない。
OPEC加盟国は全部覚えてしまおう。
加盟国は
- イラン
- イラク
- クウェート
- サウジアラビア
- アラブ首長国連邦
- リビア
- アルジェリア
- ナイジェリア
- アンゴラ
- ガボン
- 赤道ギニア
- コンゴ共和国
- ベネズエラ
の13か国。
また、以前加盟していたが脱退した国は
- インドネシア
- カタール
- エクアドル
の三カ国。
インドネシアは近年の経済成長により輸入国に転じたことで資格停止となった。
カタールはサウジアラビアとの外交関係の悪化が脱退の理由。
エクアドルは経済再建のため協調減産を受け入れられなかったことを脱退の理由としている。