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石油


エネルギー資源としての石油

スクリーンショット 51.png

  • 価格:やや高い
  • 埋蔵量:まあまあ(すぐには枯渇しない)
  • 環境性:よくない(汚染物質を排出)
  • 偏在性:高い(偏って分布)
  • 利便性:超高い(プラスチックが作れる)
  • 消費量:増加

利用

  • 輸送用の燃料(ガソリンなど)
  • 石油化学工業の原料
  • 暖房、発電(燃やした熱を利用)

が主な石油の用途。

輸送用燃料

ガソリン軽油など、エンジンを動かすための燃料としての利用が多い。

現在の技術では、乗り物を動かすエネルギー源として、

  • 安価
  • エネルギー効率が高い
  • 便利

という点で、石油が最も優れている

近年は電気自動車も普及してきたが、世界的にはまだガソリン車が主流。

石油化学工業の原料

石油の特に重要な用途。

石油は、プラスチック化学薬品に加工することができ、社会のさまざまな分野で用いられている。

代わりとなる原料はほとんどなく石油は重要な資源といえる。

熱源

火力発電の燃料としての利用は、減少傾向にある。

これは、

  • どうせ燃やすだけなら石炭の方が安い
  • 天然ガスの方が環境にやさしい

ことが理由。

家庭用暖房としては、灯油が世界的にも広く用いられており、特に寒い地域で消費量が多い。

さまざまな油田

石油にはいろいろな採掘方法があり、方法の違いによって採れる原油の性質やコストが大きく変わります。

在来型油田

ペルシャ湾岸でよくみられます。

地層の背斜構造部分に溜まった原油成分を汲み上げるだけの最も単純な方法で、採掘が簡単な分コストが低く低価格の原油を生産することができます。

海底油田

海底にある油田を採掘するタイプの油田です。

メキシコ湾油田北海油田が代表的です。

海底にある油田を採掘するため、在来型よりもコストが高い傾向があります。

シェールオイル

21世紀に入ってから採掘が本格化した新しいタイプの油田です。

頁岩中に含まれる油分をシェールオイルと呼び、頁岩に高圧水を注入して破砕し、頁岩中に含まれる油分を取り出す採掘方法です。

近年米国やロシアが急速に産油量を伸ばしたのはこの技術の実用化がきっかけでした。

しかしこの採掘方法は非常に高コストで、シェールオイルは正直値段が高いことが欠点です。

同様の方法で採掘される天然ガスをシェールガスと呼び、こちらも近年アメリカ合衆国をはじめとして開発が次々と進められています。

産地

油田の分布は、石炭と比べて偏在性が大きい、つまり分布が偏っているといえます。ですから、産油国の数はあまり多くありません。石炭産出国は全部覚えてもしょうがないですが、産油国はできるだけ多く覚えておくと良いでしょう。

産油国で絶対に覚えておくべきなのは、アメリカ合衆国・ロシア・サウジアラビアの三カ国。この三国が原油生産量トップです。

また、大規模な油田が多数分布する一大産油地域として非常に重要なのが、ペルシャ湾岸、西シベリア、メキシコ湾岸です。

他にも産油国を挙げると、中国、メキシコ、南米のベネズエラ、アルジェリアなど北アフリカ諸国、ナイジェリア、ブラジルなどが目立ちます。詳しくは地誌でみていきましょう。 油田.png (世界の油田の分布)

一方、原油の流通の面から見てみると、輸出上位国はロシアと中東諸国に偏っています。逆に世界一、二を争う産油国であるアメリカ合衆国は輸入量が世界一だったり…

このように生産量と輸出入の順位が釣り合わないのはよくある話で、これは各国内の消費量の差による輸出余力の問題です。アメリカ合衆国はご存じの通り世界一の経済大国でエネルギー消費も活発ですから消費量が非常に多く、輸出余力がないどころか輸入に頼らざるを得ない状況になっています。一方、中東諸国やロシアは人口も少なく経済活動もそこまで活発ではないため多くを輸出に回すことができるのです。

このように石油を外国に輸出している国々は、原油価格の過当競争を防ぎ、また政治的影響力を保つためにOPEC(=石油輸出国機構)を結成、世界の原油市場をコントロールしています。また、アラブの産油国のみで構成されアラブ諸国の政治的発言力を確保するために結成されたOAPEC(=アラブ石油輸出国機構)という組織も存在します。これらに関してはOPEC、OAPECの項で詳しく述べることとします。

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