メジャー
簡単なまとめ
かつで存在した欧米の石油大手7社のことをメジャーという。
19世紀から1960年代までは世界の石油市場をほぼ独占していたが、70年代以降は産油国による石油の国有化、新興国の台頭で影響力を失った。
メジャー
かつて存在した、石油の採掘・精製・流通・販売までを一手に担い、国際石油市場に大きな影響力を持っている石油大手7社のこと。
国際石油資本、石油メジャーともいう。
穀物メジャーは、「メジャーの穀物版」という意味でそう呼ばれるようになったもので、発祥は石油のほう。
歴史
19世紀後半~1960年代
石油の採掘・精製などは、巨額の資本を要する資本集約型の重工業である。
石油の採掘・利用が本格的に始まったのは19世紀後半~で、当時は欧米の列強が世界を支配している時代だった。
石油の主な産出地である中東も直接的・間接的に列強の支配を受けており、当時の中東諸国には石油を開発するだけの技術も資本もなかった。そのため、石油開発は欧米の大企業に任せるほかなかった。
また米国では、米国自身が巨大な産油国であると同時に世界最大の市場でもあり、米国内の市場が国家によって強力に保護されていたため、米国の独自資本が大きく成長した。
結果、国際石油市場は欧米の石油大手7社が完全に支配する寡占状態となり、この7社がメジャーと呼ばれるようになった。
1970年代~
1970年代に入ると資源ナショナリズムが高まり、産油国が自国の権利を主張するようになった。
また、
- 産油国による油田の国有化
- OPECの価格支配力の強化
を背景に、メジャーの影響力は後退していった。
1990年代~
90年代以降、冷戦終結に伴うロシアの市場参入、中国企業の躍進などにより、メジャーの影響力は大きく後退していった。
このためメジャーは合理化・競争力強化のため合併・統合を進め、最終的に4社にまとめられた。
現在のメジャー
高校地理の範囲は超えるが、有名な会社が多いので知っておくと今後役に立つかもしれない。
かつてのメジャー7社は、下記の4社に統合された。
- ロイヤル・ダッチ・シェル(蘭)
- エクソンモービル(米)
- BP(英)
- シェブロン(米)
また、トタル(仏)をあわせてスーパーメジャーと呼ばれることもある。
メジャー以外の石油大手
現在、メジャー以外の石油大手というと、
- サウジアラムコ(サウジ)
- 中国石油天然気集団公司(中)
- ガスプロム(露)
などが有名。
むしろ、最近はメジャーのシェアは1割程度まで低下しており、新興企業の方が存在感が大きくなっている。