【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
神経細胞の膜電位の測定や静止電位・活動電位についてわかりやすく講義します。
語呂「セイウチが減ってる(静止電位、内側がマイナス)」
語呂「逆転が一番興奮する(興奮時は電位が逆転する)」
静止電子
• 静止電位【神経細胞③】 高校生物
活動電位
• 活動電位【神経細胞④】 高校生物
膜電位の測定(発展:電極の位置を変えたらどうなるか)
• 膜電位の測定(発展)【神経細胞⑤】 高校生物
●我々は海という、高濃度ナトリウム溶液から生まれたとされる。そのナトリウムを利用した進化が行われてきた。
リン脂質の二重層というイオンを通さない障壁と、ナトリウムポンプを用いて、細胞内外にナトリウムの濃度勾配を作り出した。このナトリウムの濃度勾配は、他のイオン、糖、アミノ酸など、他の物質を細胞膜を隔てて輸送するための駆動力として活用されている。水を高いところへ貯めておいて、その水を落とすと同時に歯車を回す駆動力を得るのと同じである。我々はこのナトリウム濃度勾配の維持(ナトリウムポンプの駆動)のために毎日、莫大な量のATPを使用している。
●一般に、興奮の伝導は、温度が高い(原子の動きが激しい)方が、軸索の太さが太い(原子の通り道が広い)方が速く伝わる(金属内を自由電子が移動する電気回路とは、温度の効果が異なることに注意。固体金属内では、熱振動している陽イオンに電子がすぐぶつかる。実際、金属においては、陽イオンの熱振動が激しいほど電気抵抗も大きくなる。一方、液体は個体より原子の密度が小さく、温度が高くなっても、細胞内のイオンの動きは上記の電子ほど妨げられないと考えられる)。
低温下では興奮はゆっくり伝わるので、局所冷却には麻酔効果がある。
●有髄神経では、細胞膜の外側に絶縁性を持つミエリンが何重にも巻き付くことで(これを『髄鞘』という)膜電位が減衰しにくくなり、速い伝導が可能になっている(絶縁体を挟んで、ランビエ絞輪[髄鞘と髄鞘の隙間]とランビエ絞輪の間に活動電流[実体はイオン電流]が流れる。そしてランビエ絞輪にある次のナトリウムチャネルが開く。これを、『跳躍伝導』という)。
問題:(①)とは、細胞の膜の内外で非興奮時に生じている電位差のことであり、(②)とは、細胞膜で起こる電位変化、すなわち、一過的に膜電位が脱分極(=細胞膜を境に、外部に対して生じている負の分極が減少すること。大雑把に言えば、細胞内の電位が外に対して『負ではなくなる方向に変化する』こと)する現象をいう。空欄を埋めよ。
答え:①静止電位②活動電位
問題:基準電極と、そこから少し離れたところに測定電極を置いた。どちらも細胞の外側に電極を置いた。静止時はどんな電位が測定されるか?
①+ ②− ③電位差なし
答え:③(基準も測定点も+に偏っている。したがって+から見た+は電位差なし)
膜電位の測定に関する発展講義
• 膜電位の測定(発展)【神経細胞⑤】 高校生物
問題:有髄神経の伝導速度が大きい理由を答えよ。
答え:髄鞘が絶縁体なので、興奮がランビエ絞輪を飛び飛びに伝わる跳躍伝導が起こるから。
*この問題はよ~~~~くテストに出る。
*ランビエ絞輪(らんびえこうりん):髄鞘には1~3mmくらいの感覚で切れ目があり、その切れ目の部分をランビエ絞輪という。末梢神経ではシュワン細胞が、中枢神経ではオリゴデンドロサイト(希突起膠細胞)が髄鞘を形成している。ランビエ絞輪の軸索は他の部分よりも太く、豊富なNa+チャネルがある。ランビエ絞輪で脱分極が生じると、電流はランビエ絞輪間の軸索に沿ってすばやく流れ、次のランビエ絞輪に至る(絶縁体である髄鞘によって漏電が抑えられている)。このように、活動電位はランビエ絞輪の間を跳躍するかのように飛び飛びに伝わっていく(跳躍伝導)ため、有髄神経の伝導速度は無髄神経に比べて速い。
#生物
#高校生物
#神経