静止時(神経が興奮していない時)の膜電位のこと。
静止電位は、常に約-60mVを保っている。
常に膜電位をマイナスの電位に保つことができるのには理由がある。
あるタンパク質が電位をマイナスに保つよう、常に働いているのだ。
静止電位を保っているのは、
の2種の膜タンパク質である。

Na⁺ポンプは、常にNa⁺を細胞外に、K⁺を細胞内に運んでいる。
この時、1回の移動で、Na⁺3分子を細胞外に、K⁺を2分子を細胞内に運ぶ。

これを何度も繰り返していると、細胞外はNa⁺ばかり、細胞内はK⁺ばかりになる。
しかもそれだけではなく、
一回でNa⁺は3分子運ばれるのに対し、K⁺は2分子運ばれるので、だんだん細胞外の陽イオンの数の方が多くなってくる。
それにより、細胞内の方が、プラス、つまり陽イオンの数が少なくなるということで、マイナスの電位になる。
このチャネルは”leak”(もれる)という名の通り、常に開いており、
Ka⁺を濃度の多い方から少ない方に、濃度差に従って運ぶ。
Ka⁺はNa⁺ポンプにより、細胞内の方が濃度が大きくなるので、
Ka⁺リークチャネルは細胞内から細胞外にKa⁺を運ぶことになる。
これによっても、細胞外の陽イオンの数が増える。
要は、陽イオンの数が細胞外より細胞内の方が少なくなるため、膜電位はマイナスになるということである。
静止電位のわかりやすい解説動画はこちら!!「おうち生物 静止電位」
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