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①細胞膜にはナトリウムポンプ(Na+/K+-ATPase)というものがあって、ATPというエネルギーを使って「Na+を外に出して、K+を中に入れる」ということ繰り返している。
(ATPaseはATPを使って何かをするタンパク質のことで、非常にエネルギーを使っている。最大で細胞内エネルギーの4分の1を費やしている。)
②細胞膜はリン脂質の二重層でできており、電荷をもたない分子・極性のない分子はこの膜を通過できるが、イオンなどは通過できない。(つまり、「ナトリウムポンプによって運ばれたイオンが濃度勾配によって簡単に元に戻ってしまう」ということが起こらない。
③K+イオンには、リーク(漏洩(ろうえい))チャネルという特別の通路があって、常時、細胞膜の間をある程度行き来できるようになっています。「K+イオンだけ」というのがポイントで、他のイオンも行き来できれば、電荷の偏りはなくなってしまいます。(=電位が生じない)では、なぜK+イオンだけ通れるようになると電位が生じるのか?ナトリウムポンプによって細胞外にはK+イオンが少なくなっているので、濃度勾配によって、K+イオンは自然とリークチャネルを通って、細胞外に流れ出ていきます。
おまけ
K+イオンの濃度が細胞の内と外で同じになるまで流れ出ていくと思うかも知れませんが、実際には途中でK+イオンの流出は止まってしまう。
それは、細胞内の電気的なバランスが崩れてマイナスに傾くことで、K+イオンの流出を引きとめるような力が働くようになるからです。この濃度勾配に逆らうような電気的勾配による引きとめが起こります。