誰もが一度は働かなくても国民全員が豊かに暮らせる社会に憧れたことがあると思います。
そしてこの広い世界、実は国民の90%以上がニートであった国が、この世界には存在したのです。
しかもその国というものは、当時国全体が貧しいわけではなく、むしろ輝かしい世界。しかし、そんな国が迎えた末路は悲惨なものでした。
今回は、国民の90%がニートだった国について解説していきます。
その国の正体はナウル共和国
このニートだった国、ズバリそれはナウル共和国です。
このナウル共和国というのは、南太平洋に浮かぶ小さな島で、人口は約1万人、面積は約21.1平方キロメートル、例えるなら東京都の品川区より少し小さいくらいのサイズ感になります。
なぜ国民の大半が無職だったのか
ではこの国、どのようにして国民の90%の方が働かずに生活できていたのでしょうか。
その生活を支えたのはリン鉱石という資源でした。
このリン鉱石というものは鳥の糞由来の資源となり、肥料として非常に優秀なものでした。
そのため、特に1960年代から80年代ごろにかけて、世界中でリン鉱石のニーズが高まりました。
その結果、リン鉱石が豊富にあったナウル共和国は、それを輸出するだけで莫大な富を得ることが出来たのです。
そして政府は国民に実質的な給付を行い、税金もほぼゼロ、医療費や教育費もほぼ無料。
簡単に言えば、働かなくても豊かな生活ができるまさに夢のような世界が誕生した瞬間でした。
失われた労働文化と生活の変化
ここから社会もどんどん変化していきます。
まずナウル共和国では、労働文化、働くという文化がなくなり、消費をするだけの社会になっていきました。
また、食生活等は輸入品が中心となり、自国内で生産することはほとんどなく、ほぼすべてを海外製品に頼ることになります。
その結果、肥満率・糖尿病率ともに世界トップレベルとなり、深刻な健康問題も発生しました。
終わりの始まり
しかし、このような繁栄も続きませんでした。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、資源というものはいつか無くなります。
急速なスピードで輸出を繰り返した結果、リン鉱石はどんどん枯渇していき、国家としての収入が激減しました。
土地環境の破壊
さらに、リン鉱石を採掘するため、島の約80%が採掘跡になってしまいました。
その結果、採掘後に農業をしよう、観光をしようとしたとしても、ほとんどの土地が用途不適になってしまったのです。
財政の再建策と失敗
そこからナウル政府は頑張りました。どうにか立ち直ろうと、海外に不動産を所有したり、ほぼ国営の航空会社を設立するなど、さまざまな事業に挑戦しました。
しかしどれも大失敗。
結果として政府は債務超過を迎え、国民が働かなくてもいい時代は終わってしまいました。
現在のナウル
現在、ナウルでは少しずつ働く文化は戻っておりますが、まだまだ再建の途中です。
実際、ナウル共和国の主な財源としては海外支援に頼っているのが実情となっています。
またSNS上ではナウル共和国の公式アカウントが話題になったりもしておりますので、ナウルという名前は聞いたことがある方もいるかもしれません。
ナウルから学べる教訓
いずれにせよ、ナウル共和国の歴史が示すのは、100点の国なんて続かないということです。
もちろん、働かなくても政府がすべてお金をくれて、自由で楽な生活ができるというのは一見100点の国かもしれません。
ただ、それは継続が非常に難しいのです。
もし当時のナウルが、給付を少し控えめにし、労働文化を維持する形で制度設計をしていたら、このような結果は避けられたかもしれません。
最後までありがとうございました。








