染色体
染色体とは
特に分裂期中期になると、DNAとタンパク質の複合体は凝縮して何重にも折りたたまれ、太く短くなる。
この状態を染色体と呼ぶこともある。
構造の詳細
真核細胞のDNAは、ヒストンという丸いタンパク質に巻き付いていて(=ヌクレオソーム)、それがさらに折りたたまれた状態で、核の中に存在している。
この折りたたまれたものを、染色体という。
なお、「クロマチン」「染色質」と呼ばれることもある。
(以前はこの2つの呼び方のほうが主流だった。)
染色体の形は、
- 複製時
- 分裂時
に変化する。
複製時
複製では元のDNAをもとに新しいDNAが作られるので、DNAがほどかれる。そのため、染色体が一時的にほどかれる。
分裂時
分裂期(中期)になると、DNAを半分ずつ2つの細胞に分けるため、染色体は凝縮されて太く短くなる。
この時の染色体は、元のDNAと複製されたDNAとの2本のDNAからなり、以下の図でいうと、左右で1本ずつのDNAがまとまっている。
要は、2つのDNAの塊がくっついているような状態だ。この1つ1つのそれぞれの塊を、「染色分体」という。
また、このくっついている領域を「セントロメア」といい、この後この部分に動原体ができる。
そして分裂期後期になると、染色分体が分かれて2つの細胞に移動するのである。
染色体の数
1つの体細胞には、基本的に同じ情報を持つ染色体が2本ずつ含まれる。 (生殖細胞は1本ずつ)
また、体細胞1つに含まれる染色体の数は生物によって異なり、
ヒト体細胞の場合は、23種類の染色体が2本ずつ、合計46本の染色体が含まれる。
✾注意✾ ゲノムとのちがい
染色体と似たような言葉に「ゲノム」がある。
この2つの言葉のちがいについて、しっかり区別して覚えておこう!
- 染色体:遺伝情報の一部。
- ゲノム:すべての遺伝情報をまとめたもの。 (人の場合、染色体23本分の情報が1ゲノム)
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