ゲノム
ゲノムとは
ゲノムとは、
細胞内のDNAに含まれる、生物が自らを形成・維持するのに必要なすべての遺伝情報のことである。
真核生物の場合、精子や卵子といった生殖細胞が持つ染色体に含まれるDNAの全塩基配列が、1つのゲノムに相当する。
では、ここからはヒトの体細胞におけるゲノムについて、さらに詳しく見ていこう。
ヒトの体細胞のゲノム
ヒトの体細胞には、母親由来(卵子由来)の23本の染色体と、父親由来(精子由来)の23本の染色体、計46本の染色体が含まれる。
実は、この23本の染色体1セットに生物のすべての遺伝情報が含まれている。これがゲノムなのだ。
つまり、ヒトの場合は、染色体23本分の遺伝情報が1ゲノムということになる。
体細胞中には23本の染色体が2セットあるので、
体細胞には2ゲノム(=23本セットが2組)が含まれるということになる。
※計算問題等でも、体細胞なら2ゲノム分を求めないといけないので注意しておこう!
【重要】ゲノム・遺伝子・DNA・染色体の違い
これらの区別ができていない人がとっても多いです!!
ややこしいが、区別できるようしておこう。
- ゲノム ⋯ 全遺伝情報を合わせたもの
- 遺伝子 ⋯ DNAの中で、遺伝情報が含まれている部分の塩基配列のこと
- DNA ⋯ 核の中にある、二重らせん構造の物質
- 染色体 ⋯ DNAがおりたたまれたもの(+タンパク質)
以下に図でもまとめておきます。
特に、ゲノムと遺伝子のちがいに注意!
ゲノムは生物の全ての遺伝情報を合わせたものを指すが、
これに対して、遺伝子は、1つのタンパク質を指定する情報のことを指す。
遺伝子は、細胞中に全部で約2万個あると言われている。
この約2万の遺伝子を全て合わせたものが1つのゲノム、
という風に覚えておこう。
ちなみに
教科書によっては、23本分のDNA(遺伝情報の部分もそうでない部分も合わせて)のことをゲノム、と定義しているものもあるが、それも正しい。
(2通りのとらえ方があるそうな)
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