どの国でも、基本的に稼ぎ頭は男性である。
したがって、女性の社会進出がどの程度進んでいるのかを知るためには、男性の就業率との差を調べることが有効である。
(%、ILOSTATをもとに筆者作成)
女性の労働力率を決める要因は大きく三つある。
経済発展の度合いを、ここでは一人当たり国民所得で測ることとする。
ひとりあたり国民所得と女性就業率には、図のような相関がある。

超貧乏だと、共働きでないと生きていけないので女性も働く。その結果女性就業率も高くなる。
ある程度所得が上がると、男性が稼ぎ、女性は専業主婦で家を守るスタイルが定着する。その結果、女性就業率が下がる。
高所得国では、社会に男女平等の意識が広がり、女性も男性と同じように働くようになる。その結果、女性の就業率も高くなる。
イスラム教は、女性の社会進出に消極的な宗教である。
したがって、イスラム教国では、女性就業率が極めて低い傾向にある。
また、ヒンドゥー教もその傾向があり、インドでも女性就業率は低い。
(注)イスラム教の教えを否定しているわけではない。ご理解いただきたい。
農業が主要産業だと、女性就業率が高くなる傾向がある。
農業が主要産業の国には貧しい国が多く、そのような国には家族経営の零細農家が多い。
このような農家では一家総出で農作業をするので、女性も家事手伝いということで労働力率に算入されることになる。
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