少子化
定義
合計特殊出生率が人口置換水準を一定期間下回った状態を、少子化という。
簡単に言えば、
「しばらくの間、合計特殊出生率が2未満である状態」。
少子化が数十年続くと、人口は減少していく。
国別の状況
先進国はほぼすべての国で少子化が進んでいる。少子化していないのはイスラエルくらいしかない。
(厚生労働省資料)
近年では発展途上国でも合計特殊出生率の低下が進んでおり、アフリカを除く多くの地域が少子化社会に突入している。
日本の少子化
日本では、1970年代から少子化が始まっている。
令和5年の合計特殊出生率は1.20で、極めて危機的な状況となっている。
(厚生労働省資料)
要因
- 女性の社会進出
- 女性の高学歴化
- 晩婚化、晩産化
- 結婚観・家族観の変化(結婚する人の減少)
などが主な要因と考えられている。
女性の高学歴化・社会進出→晩婚化・晩産化
女性が高学歴化し、就職するなど社会進出が進むことで、最初の出産が遅くなる。その結果、産める子供の数が減少する。
たとえば日本では、第一子を産んだ時の母の平均年齢は、昭和50年(1975年)には25.7歳だったものが、令和4年(2022年)には30.9歳となっている。
(厚生労働省)
また、女性の社会進出が進んだことで、女性が誰にも頼らずに生きていける社会になった。
かつては女性の働き口が極めて少なく、男性と結婚して主婦になり、男性に養ってもらうしか選択肢がなかった。
現在は女性もさまざまな職業を選べるようになり、必ずしも男性と結婚しなくとも豊かな暮らしを送ることができるようになった。
このような社会情勢も、結婚する人の減少を招いている。
結婚観・家族観の変化
昔は、「結婚は必ずしなければならない」というのが半ば常識だった。
現在では「結婚はしなくてもよい」という価値観に変化している。このような結婚観の変化、お見合いの減少、自由恋愛の奨励などにより、結婚する人が減っている。
特に東アジアでは、結婚していない男女が子を産むことは極めて珍しいため、結婚の減少は直接的に少子化につながる。
また、「子どもは必ず作らなければならない」という家族観が変化し、「子どもは持たなくてもよい」という家族観が広まった結果、結婚しても子どもを持たない夫婦も増加している。