C4植物
C4植物とは
葉肉細胞でC4回路、維管束鞘細胞でカルビンベンソン回路という2段階で光合成が行われる植物のこと。
CO2を取り込むと最初にC4化合物をつくることから、「C4植物」と呼ばれる。
熱帯・亜熱帯地域など、暑い地域に生育する植物の一部がこれにあたる。
C3植物とのちがい
C3植物(日本の多くの植物がこれにあたる)は、カルビンベンソン回路にCO2を取り入れることでC3化合物をつくり、グルコースを産生している。
これに対してC4植物は、CO2をそのままカルビンベンソン回路に取り入れるのではなく、まず別の器官に取りこんでC4化合物をつくる。そのC4化合物がカルビンベンソン回路にCO2を渡しているのである。
では、なぜわざわざそんな二度手間のようなことを行うのだろうか。
C4植物のメリット
暑い地域は、日光がとてもよくあたる。
ここで、光合成の3要素を思い出してほしい。
【光合成3要素】
- 光
- CO2
- 温度
暑い地域では、このうち光と温度は十分にある。
CO2さえもっとたくさんあれば、もっとたくさん光合成ができるのに、、、
という状況である。(=CO2が限定要因ということ)
ところが、カルビンベンソン回路では、CO2を取り込める量に限界がある。
そこで、
「量が限界なら、濃度を増やせばいいんだ!!」
ということで、CO2を濃縮する機能が追加で備わったのである。
正確には、C3化合物がCO2を濃縮して取り込み、C4化合物となり、C4化合物が濃縮されたCO2をカルビンベンソン回路に渡すという機能だ。 (濃縮に関わる酵素を「PEPカルボキシラーゼ」というのもおさえておこう!)
C4化合物は、CO2を渡すとまたC3化合物に戻る。
この一連を「C4回路」と呼ぶ。
要は、C4回路があることで、効率よく光合成をおこなうことができるということだ。
C4回路⇒葉肉細胞
カルビンベンソン回路⇒維管束鞘細胞
と、2つの反応が行われる器官は異なるので、覚えておこう!
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