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一橋世界史(2001)
17世紀から18世紀におけるヨーロッパは絶対主義あるいは絶対王政の時代と呼ばれる。とりわけルイ14世が統治したフランスは典型的な絶対主義国家とされているが、このような政治体制がどの程度「絶対的」であったのかに注意しながら、その特徴を述べなさい。(400字以内)
解答のポイント
①絶対王政が成立する以前、貴族は三部会を通じて政治的発言権を有し、高等法院は王令審査権を持つ貴族勢力の牙城であった
②しかし、ルイ13世の時代、三部会は停止
③ルイ14世の時代、フロンドの乱鎮圧により高等法院を抑えた
④絶対主義を支えるために官僚制と常備軍が整備
⑤財源として国内産業を保護育成し、貿易差額主義をとる重商主義政策が採用された
⑥思想としては王権神授説が基本理念とされ、ルイ14世の「朕は国家なり」という言葉は絶対主義を象徴した
⑦しかし、絶対主義という言葉は誇張している側面もあり、実際は聖職者、貴族、商業資本家、ギルド、大学などの中間団体が存在する社団国家であった
⑧国王は、貴族・聖職者に対しては免税特権、商業資本家に対しては貿易の独占権、ギルドや大学に対しては自治権を与えて支持を取りつけた
⑨国王が全国民を直接統治する形態はとれず、統治に中間団体の協力を必要としたという点で、その絶対性には限界があった