【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
DNAの構造について講義します。
語呂「サンタさんダッシュ!慎重に!(3’方向に伸張する)」
●DNAは二重らせん構造をとる(ワトソンとクリックが発見)。2本のヌクレオチド鎖は、相補的な塩基どうし(AとT、GとC)が水素結合によって結ばれて二重らせん構造を形成している。
●DNAを構成する鎖には方向性(3’---5’)があり、逆向きに鎖が配置されないと、塩基同士が正しい水素結合を結べない。
*五炭糖内の原子位置は、塩基内の原子位置と混同しないように、'をつけて表す。
●グアニンとシトシンは塩基間に水素結合を3つつくる。対して、アデニンとチミンは水素結合を2つつくる。DNA中のGC含量が高いほど、そのDNAの安定性が増すことが知られている。GC塩基対の方がAT塩基対より水素結合の数が多いからである(さらに、GC塩基対の方が、隣接する塩基対との積み重なりによる相互作用が強いことが知られている)
語呂「CGは三次元("CとG"は"3"本の水素結合で結合)」
●核酸はヌクレオチドの重合体である。ヌクレオチドに含まれる糖の種類によって、2種類(糖にデオキシリボースを使う核酸=DNAと、リボースを使う核酸=RNA)に分けられる。RNAにはチミンがなく、ウラシルが含まれる。
<Q.どうしてRNAではTの代わりにUがあるの?…おそらく昔は、生物はRNAを遺伝子の本体として使っていたのであろう(RNAワールド)。しかし、Cはアミノ基を失うとUになってしまう。そうなると大変で、そのUが変異の結果生じたUなのか、もともとあったUなのか判断できない(修復するのに不都合である)。したがって、生物はDNAを遺伝子の本体に使うようになったのだと考えられている。>
●糖と塩基の結合物を、ヌクレオシドという。ヌクレオシドには、
アデニンとリボースが結合したアデノシン、
グアニンとリボースが結合したグアノシン、
シトシンとリボースが結合したシチジン、
ウラシルとリボースが結合したウリジン、
アデニンとデオキシリボースが結合したデオキシアデノシン、
グアニンとデオキシリボースが結合したデオキシグアノシン、
シトシンとデオキシリボースが結合したデオキシシチジン
チミンとデオキシリボースが結合したチミジン
などの種類がある。
●ワトソン(二重らせん構造の発見者)は、AとTが結合した形、CとGが結合した形に共通性があることに気が付いた。同時に脳裏に浮かんだのは、すでにわかっていた「シャルガフの規則」だ。AとT、CとGが結合しているのなら、シャルガフの規則は当然である。そして、同時に「このタイプの二重らせん構造は、前に私がちょっと考えていた同じ塩基同士が対を作る場合よりも、はるかに申し分ない複製機構を暗示する」(『二重らせん』ワトソン著より)と語っている。DNAの半保存的複製にも気づいていたのだ。
●生体内では、ほとんどのDNAは『右巻き』の二重らせん構造をとっている(明大で出題)。マンガや映画(博物館ですら)DNAの右巻き左巻きを適当に描いていることがある。
問題:DNA二本鎖のそれぞれの一本鎖が鋳型となり、それぞれに相補的な新しい一本鎖が合成されてもとと同じ二本鎖DNAが2本形成される複製方式をなんというか。また、そのようなDNAの複製を行う酵素(ヌクレオチドを材料に、DNAの合成を触媒する酵素)を何というか。
答え:半保存的複製、DNAポリメラーゼ
問題:ヌクレオチドの重合体を核酸という。さて、糖部分にデオキシリボースが使われている核酸を何というか。なお、この核酸は、生体内で遺伝子の本体として機能している。
答え:デオキシリボ核酸(DNA)
●AとGをプリン塩基、TとC(とU)をピリミジン塩基という。
語呂「プリンはあぐあぐ(AGAG)と食べよ(プリン塩基、AG)」
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