今回は「世界史の神髄」と題して一橋大学の2017年の問題を解説をしていきます。
この問題は新大陸からの銀の大量流入と価格革命がスペインの盛衰と、ヨーロッパ経済に与えた影響について説明する問題です。
世界史の大きなテーマとして、特定の地域や国家の繁栄や、特定の地域や国家の衰退があります。
なぜ国家は繁栄したのか、あるいは衰退したのかという要因について考えることで世界史という科目の本質が見えてきます。
今回はこの問題を通じて、世界史という科目の神髄に迫ります。
解答のポイント
1.スペインの盛衰について
①スペインは新大陸でポトシ銀山などの開発により莫大な銀を獲得
②対外戦争や宮廷での奢侈に浪費
③国内産業の保護育成にはつながらず
④スペイン領ネーデルラントが銀の流入によって繁栄
⑤しかし、ネーデルラントへの旧教強制や重税により独立戦争が勃発
⑥これを支援するイギリスの私掠船による銀輸送船の略奪
⑦17世紀以降の新大陸での銀産出量減少などで銀の流入が減少し、スペインは衰退
2.16~17世紀のヨーロッパ経済に与えた影響
⑧西欧では銀の流入により商業革命が起こり、経済の重心が地中海から大西洋岸に移動
⑨また、価格革命により、固定された貨幣地代に依存する封建領主層が没落
⑩南ドイツで銀山経営を行っていたフッガー家が銀価格の低下によって没落
⑪金利の低下により西欧で商工業が発展
⑫価格差を利用し、西欧に穀物を輸出するためエルベ川以東でグーツヘルシャフトが発達
⑬西欧は商工業、東欧は農業という国際分業体制