いよいよ明日、140年以上にわたって建設が続いてきたサグラダ・ファミリアの主要部分が完成を迎えます。
140年以上も建設中となると、「いつになったら完成するんだ」「もしかして完成しないのではないか」と思った人もいるかもしれません。しかし、ついに2026年6月11日、サグラダ・ファミリアは大きな節目を迎えます。
今回は、サグラダ・ファミリアの完成について解説していきます。
完成するのは実は一部?
まず知っておきたいのは、今回完成するのはサグラダ・ファミリア中央に建設されている「イエス・キリストの塔」であり、いわゆる主要な建築部分が完成するということです。
そのため、周辺設備や細かな整備などは今後も工事が続く可能性があります。
つまり、「完成」とは言われていますが、完全にすべての工事が終わるという意味ではないことも覚えておきましょう。
なぜ今年完成するのか
最大の理由は、設計者であるガウディの没後100年という節目があるからです。
アントニ・ガウディは1926年6月10日に亡くなりました。
建設関係者は以前から「ガウディ没後100年までに主要部分を完成させる」という目標を掲げてきました。
その長年の目標が、ついに実現しようとしているのです。
実は設計者ガウディ自身が作った部分は少ない?
建築物と聞くと、設計者本人が完成まで携わったというイメージを持つかもしれません。
しかし意外なことに、設計者のガウディ自身が完成させた部分は全体の2割程度とも言われています。
ガウディは40年以上をサグラダ・ファミリアの建設に捧げましたが、亡くなった時点で完成していたのは地下聖堂や外壁の一部などに限られていました。
現在私たちが目にしている建物の大部分は、後世の建築家や技術者たちがガウディの構想を引き継ぎながら建設してきたものなのです。
ガウディの死因とは
ガウディは1926年6月、路面電車にはねられる事故に遭いました。
当時のガウディは非常に質素な服装をしていたため、周囲からホームレスだと思われてしまったと言われています。
その結果、適切な治療をすぐに受けることができず、事故から数日後に亡くなりました。
寄付によって建設されていた
意外かもしれませんがサグラダ・ファミリアは国家事業ではありません。
主な資金源はカトリック信者などからの寄付です。
そのため、資金が不足する時期には工事を大幅に縮小したり、一時停止したりする必要がありました。
設計が極めて複雑だった
ガウディは自然界などを参考に建築を設計しました。
木の枝のような柱、蜂の巣のような構造、貝殻を思わせる曲線など、当時としては前例のない設計ばかりでした。
しかし19世紀から20世紀初頭の技術では、それらを正確に再現することが非常に困難だったのです。
スペイン内戦で設計資料が失われた
1936年、スペイン内戦が発生しました。
その際、サグラダ・ファミリアの工房が焼失し、多くの設計図や模型、計算資料が失われてしまいます。
後世の技術者たちは、壊れた模型の破片をまるでジグソーパズルのように組み立てながら、ガウディの構想を復元していきました。
ガウディは完成を急いでいなかった
ガウディには有名な言葉があります。「私の依頼主は急いでいない」ここでいう依頼主とは神のことです。
ガウディ自身は、何十年、あるいは何百年かかっても構わないという考え方を持っていたとされています。
そのため、彼自身は建設を急ぐことにあまりこだわっていませんでした。
完成を後押ししたのは3D技術の発展が大きい?
建設が始まってからの約140年間の中でも、ここ15年くらいは脅威的なスピードで建設が進められています。
というのも3D設計やコンピューター制御加工(CNC)、デジタル技術の発達の進歩により、高度な工事を早く作ることが可能になったのです。
実は世界一高い教会になる?
ちなみに、このサグラダ・ファミリアが完成すると、世界一の高さを持つ、教会になるのです。
長年世界一高い教会として君臨してきたドイツ・ウルム大聖堂の高さが約161.5mになります。そして今回、完成するサクラダファミリアはなんと約172.5mと10m以上も世界一高い教会の記録を超えるのです。
なおサグラダ・ファミリアには主要な塔が18棟あるのですが、一番低い塔でも約100mと全体的に高さのある教会になっています。
140年以上受け継がれてきた技術の結晶
このようにサグラダ・ファミリアは、ガウディが建設を始め、その後亡くなった後も、多くの建築家や技術者たちによって受け継がれながら建設が続けられてきました。
戦争や資金不足、技術的な課題など数々の困難を乗り越えながら完成へと近づいてきました。
まだすべてが完成するわけではありませんが、明日、主要部分が完成するという歴史的な瞬間を迎えます。
日本ではNHKが22時より、生中継を予定しているとのことです。
もし興味がある方は、ぜひその歴史的な瞬間を見届けてみてはいかがでしょうか。
最後までありがとうございました。






