概要
三角関数の和
を、以下のように変形することを三角関数の合成と呼ぶ( ではないとする)。
最後は加法定理を使っている。途中でいきなり新しい角度 が出てきてギョッとするが、これは、
を満たす角で、このような は にただ つ存在 する。
を図形的に示すと、以下の通りとなる。

この新しい角度を作ったことによって、 の式と の式を、一つにまとめることができた。
例
【問】 の範囲で、以下の方程式を解け。
【答】 と の中身が同じなので、合成によって左辺を1つにまとめることができる。(符号がマイナスでも、全く同じように加法定理で考えればOK)
よって方程式は
となる。ここで、角度の範囲は
より、
と求まる。(ゴールはあくまでも を求めるということに注意!!)

補足
これはとても大事な変形で、補足もたっぷりある。
- 覚えなくても、上の式変形のように作れればOK
- 実際に合成するときは、上のように変形を行なっていき、 と から を自分で求める
- 有名角として が求められない場合は、 のまま置いておく
- と のどちらかからだけだと、基本的には は一つに決まらないので、 必ずどちらも使って、単位円上で を決定するようにしよう
- 最初の と の中身の角度()が違うと使えないので注意
- 上の例題のように、合成することにより式の項数を減らすことができるので、方程式や不等式を解くのがとても楽になる
- ちなみに、以下のように角度の取り方を変えると で合成することもできる。
ただし、 は
を満たす角で、このような も にただ つ存在 する。(図形を考えれば、 が成り立つこともわかる!)