中国政府が2000年に打ち出した政策で、経済発展に取り残された西部(内陸部)を開発し、沿海部との経済格差の解消を目指した。
の四大プロジェクトを行ったほか、
を重点プロジェクトとした。
西部の天然ガス資源を開発し、東側の都市部に輸送する計画。
新疆ウイグル自治区での天然ガス田の開発、パイプラインの建設を行い、東部への天然ガスの供給が強化された。
西部の河川や石炭資源、風力・太陽光資源をいかして大規模に発電を行い、東部の都市部へ電力を供給する計画。
三峡ダムをはじめとしたダム建設による水力発電の増設、豊富な石炭資源を活用した火力発電の建設が行われた。
また、西部の広大な土地を活かした大規模な風力発電や太陽光発電施設の建設が進んだ。
水が豊富な南部から、水不足に悩む北部へ水を融通する計画。
具体的には、長江と黄河の間に水路を建設し、水を北部へ送った。
青海省とチベット自治区を結ぶ鉄道。
青藏鉄道の開通によりチベットと他地域との物資や人の行き来が活発になった。
耕作地を森林に戻し、牧場を草原に戻そうという計画。
中国では過耕作・過伐採により、森林・草原が減少。土砂災害・洪水の頻発、砂漠化の進行などの環境問題が発生している。
これに対し、中国政府は大規模な植林を行い、森林面積を大きく増加させてきた。
西部大開発に伴い内陸部のインフラ整備が進み、所得・生活水準は大きく向上した。
西部大開発に伴い、西部への漢民族の大規模な入植が起こった。
西部では漢民族の人口が増加し、漢民族の政治的発言力が強まって西部の中国化が進んだ。
これに中国政府の中国語教育政策の強化、少数民族の弾圧も重なり、西部では反中感情が高まり、独立運動も高まっている。
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