パイプライン
簡単なまとめ
石油・天然ガスなどをパイプで輸送する施設。
ヨーロッパ・北米・中東で発達。
- BTCパイプライン
- ペトロライン
- TAPライン(運用終了)
- ドルジバパイプライン
- アラスカパイプライン
- ノルドストリーム
が有名。
特徴
パイプラインは、管を繋げるだけで石油や天然ガスが運べるというとっても楽ちんな輸送モードで、石油や天然ガスを陸上で長距離運びたいときによく使われます。
特に、天然ガスはパイプラインで運べば液化が不要で、輸送費を抑えることができます。
パイプラインは、特に旧ソ連地域→ヨーロッパ方面で発達しています。
有名なパイプライン
BTCパイプライン、TAPライン(運用終了)、ペトロライン
いずれも、原油をヨーロッパ方面に輸送することを目的としています。
TAPラインやペトロラインは、ペルシャ湾岸で生産された原油をタンカーで運ぶ距離を縮めることが目的ですね。
ドルジバパイプライン
「ドルジバ」(Druzhba)=「友好」という意味で、旧ソ連時代に建設され、親分のロシア(ソ連)から子分の東欧諸国に石油を分けてやろう、仲良くしようぜという目的で作られたパイプラインです。
ですから、輸送先の国はハンガリー、ウクライナ、ベラルーシ、チェコ、東ドイツと、東側の国しかありませんね。西側と友好! とかあり得ませんから。東側だけです。
アラスカパイプライン
北極海沿岸にプルドーベイ油田という油田があります。
ところが、海が凍っているのでタンカーが入れません。しかもベーリング海峡を回らないといけないので非常に遠回り。
ということで、アラスカを南北に貫くパイプラインが建設されました。これがアラスカパイプラインです。
凍土の上に建設されたため、原油の熱で凍土を融かさないよう、パイプを地面から浮かせて建設しています。
ノルドストリーム
新しいパイプラインで高校地理ではあまり見かけませんが、近年話題になっているパイプラインです。
ヨーロッパでは近年の脱炭素の流れで、CO₂排出量の少ない天然ガスへの移行を進め、その結果ロシア産天然ガスの輸入が増加しました。
というわけでロシアからドイツまでパイプラインが建設され、2011年に供用開始されました。これがノルドストリームです。
そこで起きたのが今回のウクライナ戦争ですよ。ドイツはロシアに経済制裁するし、ノルドストリームは何者かに爆破されるし、もう散々です。