だ腺染色体
ハエやカなどの双翅目の幼虫のだ腺(つばがでるところ)の細胞中に見られる染色体を、だ腺染色体という。
特徴
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通常の染色体の100~150倍の大きさである!
だ腺染色体では、細胞分裂は起こらず、DNAだけが何度も複製し、束状になっているため、こんなに大きくなる。
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相同染色体(多くの生物は1種類の染色体を2本持っているよね、その2本のこと)が対合した状態になっているため、染色体の本数は、他の体細胞の半分である。
例)他の細胞の染色体が4種類が2本ずつで計8本であるとき、だ腺の細胞は4種類が2本ずつで計4本、ということ。
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多くの縞模様が見られ、ところどころに「パフ」という膨らみが見られる。
パフについて
パフはどうしてできるの?
だ腺染色体はもちろん染色体なので、DNAが固まったもの。
DNAは転写の時、一部がほどけてmRNAができるよね。
だ腺染色体は大きいから、DNAがほどけてmRNAがつくられてるとき、その部分が膨らんで見える。
それがパフということなのである。
つまり、パフは転写が起こっているためにできる。
パフから何がわかるの?(生物分野)
例えば、同じ幼虫でも、小さい幼虫、大きくなった幼虫、蛹になるころ、、
と、成長段階ごとに同じだ腺染色体を観察していたら、
幼虫の時期によって、パフの位置が異なるのだ。
このことから、
成長段階によって異なる遺伝子が発現することで、だんだん体が出来上がっていく
ということがわかるのである。
だ腺染色体について動画で学びたい方は、「おうち生物 だ腺染色体とパフ」をチェック!
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